数字を使ったマーケティングで市場規模を考える
堀口です。
もう10年以上前になります。
2010年1月、この和から株式会社のメイン事業となる「大人のための数学教室和(なごみ)」を創業しました。
最初の所持金は10万円でした。
これは創業のためのお金というよりは、給与として月末に振り込まれたお金です。
家賃は滞納し、電気は止められる寸前。
食事もまともにとっておらず、1日5本のうまい棒だけで過ごすこともありました。
気持ちも決してポジティブではありませんでしたが、この「大人のための数学教室」事業を始めるにあたっての勝算は十分ありました。
十分あった・・・というか、「うまくいく」と確信していました。
なぜか。
それは、数字を使って計算で市場規模を計算していたからです。
友人に聞いてみたけど、数学を学びたい人は1人しかいなかった
まず、どのくらい大人の数学教室のニーズがあるのかを調べました。
当時、大人専門の数学教室は一つもありませんでした。
一つももないということは、ニーズがないか、過去にやったけどうまくいかなかったかなどいくつか理由が考えられます。
ニーズ無くしてすべての仕事を辞めてその事業をやり始めるのはとてもリスキーです。
だから、まずはニーズの具体量を調べてみることにしました。
しかし、何をするにあたってもお金がありません。
お金がかかる方法はすべてNGです。
アンケートで調べたり、何かテストマーケティングなど、お金で使って調べる手法などは全く使えない。
だからまず、知り合い・友人に聞いてみることにしました。
「大人になってから数学を学びたいと思ったことある?」と。
結果、、一人を除いて数学を学びたい人は見つかりませんでした。
数学を趣味でやっていたい、学びたいという人は一人いたのですが、数十人に聞いてたったの一人では、データとしての誤差があり、どのくらいの確率で学びたいかは真なる値はわかりません。特に私自身が数学好きということもあり、友人関係でも数学を学びたいという人は多いかもしれない、という元々のデータに偏りがある可能性もあり、とても信ぴょう性があるとは思えませんでした。
親にも「大人のための数学教室」をやりたい。と相談しましたが、「そんな大人で数学なんて誰が学ぶのか?」と問い詰められ、うまく答えることが私もできませんでした、
「そんな人はいない。見たことはない。」の一点張りで、親に相談するのはあきらめました。
そして、学びたいという友人も、どのくらいのお金を払ってくれるのか。「学びたい。」というモチベーションが「100円」の価値しかなければビジネスとして成り立ちません。少なくとも「月額1万円」以上払わなければこのようなスモールビジネスは成り立たないと考えていました。
学びたい友人が見つかったと言っても、「たまたま」という可能性はぬぐいきない。
ただ、「大人で数学を学びたい人はゼロではない。」という確信を持てたのは大きかったです。
この友人に聞くという調査は無駄ではありませんでした。
検索数から見えてきたニーズの世界
そして、友人に聞くというやり方がうまくいかない中、探した手法の中で非常にわかりやすいニーズの計測の方法は、「検索」を調べることでした。
例えば、大人のための数学教室を探している人はどんなキーワードで検索するんだろう・・・
と考えたとき、
・大人 数学
・大人 数学教室
・社会人 数学
・社会人 数学教室
・大人でも学べる数学塾
・大人 数学 方法
・大人 数学 勉強法
などの検索ワードで検索するのでないかと気づきました。そして、具体的にGoogle検索数の調査ツール(参考:Googleキーワードプランナー)を用いてそれを調べて見たところ、「大人 数学」という検索ワードが月間で1000件程度検索されていることがわかりました。
1000件の検索が重複なしの人であると考えると、月に1000人は学びたい人が生まれているのではないかという計算ができます。
「1000人!!」
驚きました。
1000人も学びたい人がいれば、その中で最低でも1%以上の人は真剣に学びたいという方はきっといて(これは当時概算で求めましたが、実際のところ合っていました。)、1万円以上払ってくれる、ちゃんとビジネスとして成立できるであろうという見込がうまれました。
まさに、ビジネスとして絶対にうまくいくという確信を持てた瞬間でした。
数字に強くなる!マーケティングの大切さ
月間1000件といっても、日本人全体から眺めてみれば、「10万人に一人」です。10万人に1人しかいないニーズですから、たった100人の友人にニーズが聞いてもわかるわけがありません。ニッチビジネスとは、そういうことです。友人で「それを買いたい!」という人がいなくて当然なのです。
必要な人に、必要なものを届けるのがビジネスであって、全員が必要だなんて思う必要はありません。
このように、ニッチビジネスの市場規模は、世の中に転がっている情報を使って計算すればおおよそのニーズがわかります。
他にもいくつかの方法で具体的なニーズを見極めていったのですが、このような市場規模を求める方法だけでなく、マーケティングの基本の考え方が学べるセミナーを「数字に強いマーケティング超入門セミナー」で開催しています。
私、堀口自身が具体的な起業の時のエピソードを交えてマーケティングの入り口を解説しています。
マーケティングは必ず数字で把握し、活用しなくてはならないものです。
「売れる!」のは具体的にどれくらいなのか。いくらなのか。どのくらいの利益が出そうなのか。計算を活用していますか?
ぜひこちらに参加頂き、数字に強くなってください。初心者の方も、経験者の方も改めて学びにつなげて頂けたら何よりです。
<文/堀口智之>