市場規模を算出するために
新商品を作ったときや新事業を立ち上げたを作ったときに最も気になるのは、「売れるかどうか。」です。どんなに良い商品を作ったとしても売れなければ何の意味もありません。多くの人の手に届いて実際に問題が解決するからこそ、ビジネスとなります。
その中で、どのくらいの人に買ってもらえる見込みがあるのか。市場規模算出の数式について今回はご紹介します。
市場規模とは
市場規模とは、その事業分野における市場の大きさ、つまり、その市場での商取引における売上見込の総額になります。
市場規模が小さすぎれば、その見込みとなる利益額も小さくなり、参入の価値がないという判断になる可能性がありますし、大きければ大きいほど、既に多くの商品がその分野で売られ、ライバルが十分に多いということも考えられえます。
また、市場規模の時間経過における推移までわかれば、今後発展するか、衰退していくかも把握できます。市場規模を計算するにあたって、その市場の環境や競合他社の存在、参入障壁についてもわかってくることでしょう。
市場規模算出の数式とは
様々な方法がありますが、その基本式はシンプルです。
購入人数×平均購入数量×価格
です。最も基本となる式です。
「フェルミ推定」などを用いて市場規模を計算して求めることも一つです。しかし、最も難しいのは、「購入人数」です。購入人数の推定方法は非常に難しく、さらにやっかいなのは、購入人数が宣伝費用の関数になってしまっていることです。つまり、広告・宣伝をすればするほど市場規模が拡大していくということです。
しかし、お分かりの通り、それも限界はあります。
テーマパークの宣伝ばかり流しても、テーマパークが嫌いな人はテーマパークに行きません。その商品やサービスを好みの層はある程度絞られますし、「タピオカ」のような時代の流れ、一時的な流行(ファッド)を汲めば市場規模は桁違いに膨らむこともあります。
購入人数を求めるには
購入人数を求めるには、様々な方法があり、テスト販売を行ったり、似た市場を分析する手法、アンケートなどを用いて統計手法を用いた分析をする方法など、多様な方法が考えられます。
革新的な商品など、場合によっては、テスト販売ができないケースもありますし、アンケートでも「買う」と回答しても買わない人がいることもあります。似た市場では、正確に、その対象としている市場ではないことから推定したとしても違う結果になることも。
シチュエーション、目的によって市場規模算出における手法・数式を使い分けながら、より精度の高い市場規模の分析を目指すことで、より的確な判断へと繋がってくることでしょう。
<文/堀口智之>