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研修は内製か外注か|自社で回せる範囲と外に出す基準

生成りの麻布に濃茶のチェーンステッチが一列に伸び、深緑のフェルトの葉と花が縫い付けられ、針が布に刺さったままの手芸の接写

研修を内製にするか外注にするかは、教材を作る、教える、質問に答える、改訂する、記録を残すという工程ごとに分けて決めます。科目単位で「この研修は内製」と決めると、教材の改訂だけが誰の担当でもないまま残ることがあります。社内に詳しい人がいることと、その人が教材を作り続けられることは別です。

この記事では、5つの工程で分担を決める手順と、社内講師の年間工数を時間で見積もる方法を紹介します。以下の時間・人数の設定は、説明用に作成した架空のものです。

内製・外注を、科目単位ではなく工程単位で分ける

研修の運営は、いくつかの作業の集まりです。教材を作る、当日教える、実施後の質問に答える、内容を改訂する、誰が何を受けたかの記録を残す。この5つは、必要な技能も、かかる時期も違います。

工程で分けると、全部を内製する以外の形が見えます。教材は外部のものを使い、当日は社内の管理職が進行し、質問対応は社内、改訂は年に一度外部へ依頼する、という組み合わせも成り立ちます。内製か外注かは、研修ごとではなく工程ごとに決められます。

内製が向く条件:自社固有のルールと、更新の頻度

内製が向くのは、扱う内容が自社の中でしか通用しない場合です。勘定科目の使い分け、独自の指標の定義、承認の手順、社内システムの入力ルール。これらは外部の教材には載っていません。

ただし、更新の頻度が高い内容ほど、改訂の工程が重くなります。制度や様式が年に何度も変わるなら、教材を作った人が異動したときに誰が引き継ぐかを先に決めます。内製の判断は、初回の作成だけでなく、改訂を続けられるかまで含めて行います。

対象者が少しずつ入れ替わり続ける内容も、内製が向きます。入社時の様式の説明のように、同じ内容を年に何度も短く繰り返す場合は、その都度外部へ依頼する手間のほうが大きくなります。回数が多く1回が短い内容か、回数が少なく1回が長い内容かで、向く形が変わります。

外注を検討する条件:内容が社外の標準に近いとき

割合の計算、前年比と増加率の違い、平均と中央値の使い分け、%とパーセントポイントの区別、グラフの読み方。こうした範囲は自社固有ではありません。用語の整理は数字力の用語解説でも確認できます。社外の標準に近い内容は、教材を一から作る必要が薄くなります。

もう一つの条件は、社内で教えられる人が一人しかいない場合です。その一人の予定で日程が決まり、休むと止まります。対象者が複数の拠点に分かれている場合も、同じ内容を繰り返す回数が増えます。回数と拠点の数を先に書き出してから判断します。

社内講師の負担を、時間で見積もる

内製を選ぶ前に、社内講師にかかる時間を年単位で出します。以下は説明用の設定です。教材の初回作成に40時間、実施は1回6時間で年2回なので 6×2=12時間、年次の改訂に10時間。合計は 40+12+10=62時間です。

初回作成の40時間は初年度だけにかかります。2年目以降は 12+10=22時間で、初年度に対しては 22÷62×100=約35.5%です。分母の62時間は初年度の合計時間です。受講者が年40人なら、初年度は1人あたり 62÷40=1.55時間の準備工数になります。

この時間は金額へ換算せず、時間のまま扱います。62時間をどの業務から出すかが決まらないうちは、内製の判断はできません。また、この計算から教材の出来や受講者の理解度は分かりません。ここで見ているのは時間の量だけです。

併用する場合の分担と、引き継ぐ資料

一部を外部へ任せる場合は、引き継ぐ資料を先に決めます。使用したスライド、演習問題と解答、受講者から出た質問と回答、当日の進行表。受け取った資料を社内でどこまで再利用してよいかは、契約の中で確認します。

社内側も、自社固有のルールを一枚の資料にまとめて渡します。指標の定義、様式、承認の流れ。この資料は内製の教材の下地としても使えるため、併用の準備がそのまま内製の土台になります。

受講の記録をどちらが持つかも先に決めます。誰が何をいつ受けたかの台帳は、社内に残すほうが後の確認に使えます。外部へ委託した回の記録も、同じ台帳へ同じ様式で追記します。

判断を1年で見直す前提にする

内製と外注の線引きは、一度決めて固定するものではありません。対象者の人数、拠点の数、制度の更新頻度、社内講師の稼働。これらが変われば、同じ工程でも向く形が変わります。1年後に見直す日を先に決め、そのときに見る材料も決めておきます。

見る材料は、実施回数、社内講師が使った時間、改訂の発生回数、受講者数、質問の内訳です。数字で残しておくと、翌年の判断を印象ではなく記録から決められます。工程の一部を外へ出す前提で内容を確かめるなら、和からの法人研修プログラム一覧で扱う範囲を確認できます。自社固有のルールや様式は外部の教材では扱えないため、その部分は社内に残す前提で分担を組んでください。

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