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自分にしかできないことを、やる

私は、社会の中で、「必要だ!」と言ってもらえる仕事を、いつもしたいと思っています。

それは、たぶん自分自身が必要とされたいから、だと思います。

おそらく、皆さんもそうだと思います。「あなたにいてほしい!」と言われたいですよね。きっと必要とされたいのです。

 

「必要」とされる場所が見つかったから起業した

大人のための数学教室を始めたときにも、そんな「必要性」を考えていました。

数学がもしかしたら、誰かにとって喜びを生むかもしれない。そんな可能性を感じながら、同時に、「数学」は仕事にするにはモチベーションがわかない・・・とも思ってました。

なぜなら、数学を教える仕事といえば、やはり塾。子供向けの塾はたくさんありました。学習塾と言えば、対象は小学生から中学生、高校生と普通はそういう年齢層が対象です。やる会社が多いなら、競争相手の多い市場なら、別に自分がやる必要がない。その人が、その会社がやればよい。そんな風に考えていたからです。(よく、競争相手の多い市場のことをレッドオーシャン、少ない市場をブルーオーシャンと呼びます。)

しかし、ふとしたきっかけで調べてみました。大人を対象とするならどうか、と。

事前に調べましたが、当時大人を専門にした数学塾は一つもありませんでした。なぜなかったのか。

理由は、ほぼ2択です。

・誰かが手を付けたが、やめた(そもそもニーズがなかった)
・誰も手をつけていない

と、考えることができます。逆に言えば、誰も手を付けていないかもしれないし、誰かが過去やったのかもしれなかったのですが、明らかだったのは、ニーズがあったことでした。市場調査の中浮かび上がってきたのは、「大人専門の数学教室」を探している人は確実にいました。

だから、始めたのです。

大人の数学教室なら、今必要としてくれる人がいる。ニーズが少ししかなかったとしても、社会の基盤となっている数学だからこそ、確実にニーズを育てることができる。

最初は自分ひとりが食べていくのがやっとかもしれない。でもきちんとビジネスと回り始めれば、雇用を生み、社会に貢献し続けることができる永続的な仕組みとなる。

しかし、大人向けの教育事業なんて英語以外で聞いたことない。英語ならグローバル化に伴って確かに必要だろう。相手は数学。決して大きなビジネスにはならないかもしれない。

でも、逆に言えば、小さくても、ずっと必要としてくれる人がいるビジネスになるだろう。

必要としてくれる人が常にいる。「あなたにお願いしたい。」そんな声のかけられる会社でありたい。ニーズは少ない、でも確実に仕事が成り立つ市場であれば、会社としても安泰になる。そんな想像が現実になるには、あまり時間はかかりませんでした。起業した4か月目には黒字化、1年後には初めて社員を抱えるまでに成長しました。

 

今改めて思うこと

もちろん、ある意味これは「経営者」としてみるなら間違っているかも、とは今になったら思います。おかげ様で起業して約10年。様々な成長をさせていただいたことにより、自分の中に判断軸が増えてきました。これはとてもよいことです。(理由はまたどこかのタイミングで語ろうと思います。)

いずれにせよ、競争相手の多いところではなく、競争相手ができるだけ少ない。でも、確実に喜んでくれる人がいる。そんな仕事に私はいつもモチベーションが高まります。

<文/堀口智之>