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数学の書籍を読んでもわからない人はたくさんいる

「数学を学びたいなら、この数学の本がオススメ!買って読めばいいよ!」

そんなアドバイスを受けたとします。もちろん、それは、嘘ではありません。その人にとっての最もよいアドバイスをしたんだと思います。

でも、本を読んでもわからない人がいる。それが、数学教室の存在意義の一つだと思います。検索だけで数学がわかるなら、本だけで数学がわかる人だらけなら、この世界に数学教室はいらないと思います。

知恵袋や、OKwebなどの質問に答えてくれるWEBはありますが、ベストアンサーとして選ばれたものがさっぱり理解できないことは多くあります。基礎的な知識がある人だったらわかるだろうけど・・・というケースが多いのです。

 

数学にもっとやさしさを

私が代表を務める和から株式会社の大人のための数学教室和では、以前はFAXで数学の質問にお答えするサービスをお客様の希望で数回行ったこともありましたが、やはり具体的な導入は断念しました。

結局は、数学本と同じような状況になってしまうからです。どこまで説明すればよいかが非常に難しく、その求められるレベルの高さの割に講師の時間単価と合わないのです。

一言で分かる方もいるといえばいるのは事実です。しかし、高度な質問に高度に解答したにも関わらず、もっとずっと手前のところで躓いている人も多くいます。微積分の質問なのに、関数がわかっていなかった・・・ということもあるのです。すべてに対応したFAXでの質問対応は厳しく感じました。

我々は、説明することが仕事ではありません。お客様に実質的な価値を与えること。つまり、楽しんでもらうこと。わかってもらうこと。抱える問題を解決することが役割です。話すこと、伝えることではないのです。

「わかりやすさ」は個人個人によって変わります。「大勢にとってわかりやすい」はありますが、「全員にとってわかりやすい」は存在しないのです。

あらゆる人に合わせられる。例え、世の中から置いていかれそうになっている、どんなやり方でもダメだった、そんな人にも、寄り添える数学教室でありたいなぁと。

ふと、困っている人に数学書籍だけを提示する・・・だけでなく、ちゃんとその場まで行って手を差し伸べることができる人でありたい。

いつもそう思っています。

<文/堀口智之>