岩手県でついにコロナウイルス(COVID19)陽性の方が出てしまうことになりました。
最初の感染者が出たときに、「あなたさえいなければ・・!」そう思った人はいることでしょう。
どの県でも同じようですが、初めて陽性者が出てしまったとき、誹謗中傷が相次ぎ、感染者の家に張り紙、勤務先に批難の電話などもあったと聞きます。
しかし、そもそも感染者がこれまで出なかったということが奇跡ということを前提に考える必要があります。
確率思考で考えてみる
まず、日本の感染者数は3万人を超えています。つまり、日本の感染者は0.03%程度となっており、3000人中1人が既に感染している状況です。(もちろん治っている方も多いのですが。)
岩手県の人口120万人からすれば、既に県内に400名もの感染者が出ていてもおかしくはない状況であることを考えると、2020年7月28日まで感染者が一人もいなかったことを考えると奇跡のような確率です。
最初の一人になるかどうかは確率の問題です。なぜなら、誰もいないという確率は今の日本の感染状況からすれば極めて0に近い確率になります。奇跡は連続しません。めったに起こらないから奇跡と呼びます。
普通は感染者が出るのが当たり前です。コロナを連れてきたその人が仮にコロナを連れてこなかったとしても、他のどこかの誰かが連れてはくるのです。これは人の責任の問題ではなく、確率の問題です。 絶対に起こりうる問題です。構造的に起こってしまうのです。その人のせいではありません。冷静に数字をとらえてほしいと思います。
大人こそ実践すべき確率思考
大人こそ、「確率思考」の大切さをわかってほしいところです。誹謗中傷をしているのは子供ではないはずです。力ある大人だからこそ、正しい判断力を身に着ける必要があります。
必要な人ほど、必要性がわからない、自分が数字で物事を判断していないことに危機感を感じていない人が多いかもしれません。まずは、子どもより、大人が背中を見せる。誹謗中傷よりも、今やるべき感染対策を進める。目の前のやるべきことを一生懸命に進めるという社会を、数字教育を通して目指していきたいところです。