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CUN問題(ルーチンで解けない問題)が数学的思考を養う

昨日、数学的思考が学べる「数学的思考の習得法(データセンストークライブ第33回)」というセミナーを開催させて頂きました。

「面白かった!」「非常によかった!」

など大きな反響があり、こちらも驚いています。

日本国内ではほとんど普及されていないCUN問題への取り組みによる数学的思考の取得についてお話しました。

CUN問題とは何か

CUN問題とは、「Complex, Unfamiliar and Non routine Task」の略で、複雑で慣れ親しんでない、ルーティン化されない問題のことで、一言で、非定形的問題と略されます。もっとやさしく表現すれば、型や解き方、解答方法ですら決まっていない、現実によく問われやすい課題のことです。

Q.遠足のとき、おやつ300円以内で最も満足するようにそろえるにはどうしたら?

というのもCUN課題の一つでしょう。

細かいおやつをたくさん用意したほうがよいのか、300円で大きなおやつを買って、皆でシェアするというのもおやつの楽しみ方の一つです。最も満足するというのにしっかりとした明確な答えはありませんし、そもそも遠足で具体的に何をするかも明確にわかりません。わからない中、論理的に答えを絞り出していかないといけないのです。

 

CUN問題の具体例

もういくつかCUN課題の具体的なものを見ていきましょう。

Q.ピザを注文したい。できるだけ安く済ませたいのだが、どの会社のどのピザを注文したらよいか。

Q.ワクチンには副反応という危険性が伴うと言います。さて、この危険性を具体的に評価し、ワクチンを接種したほうがよい(しないほうがよい)合理的理由を考えてみましょう。

Q.よい会社にするために何をすべきか?

こんな問題です。普通数学の問題と言えば、多くの人は「答えが1個に決まっている!」という想いを抱きますが、現実的には答えが一個に決まる場合はレアです。ほとんどありません。私も経営者を長いことやっていますが、「絶対にうまくいく。」と考えたことでも、びっくりするくらいうまくいかないこともあります。仮説検証の日々です。それが論理的に考えて正しいものあったとしても、前提条件が崩れたり、現実と論理の境目で論理が破綻してしまっていることもしばしば。(例えば、”他の広告での運用実績から考えれば、問い合わせをした人はきっと半分くらいはセミナー申し込むはず!”と思っても、実は1/10くらいだったりとか・・・。)

そして、出た複数の答えの中で、社会的な価値や意義との整合性が深く求められます。平等性、バランスを欠いた答えであれば、その答えに対して皆が納得できるものではないでしょう。

もちろん、それは数学の問題ではないのでは?と考えるかもしれませんが、現実の問題解決能力につなげるのも数学という教科の役割だと私は思っています。数学は、公式を覚え、公式が適用できる問題のみが出題されるという流れの、ルーチン化された問題が現状ほとんどです。もちろん、ごく自然に数学を学ぶ中で勝手に問題解決能力につなげている方はいないことはいませんが、大多数の人は、現状の数学の在り方・学び方では、「現実の問題が解けない」と言い切ってもおかしくないくらいのことが起きています。あくまで現実の問題が解けるための、問題解決につながる数学。そしてその思考法が学べるものでなくてはならないのです。

後日、興味深い実験結果と、CUN課題への具体的な取り組み方、そのプロセスをこのブログでご紹介します。

<文/堀口智之>