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「?(はてな)」から「!(なるほど)」へ【これからの算数教育】

みなさんは算数を楽しんで学んできましたか?

「楽しかった!」
「つまらなかった・・・」
「先生が好きだった!」

いろいろな思い出がよみがえることでしょう。ポジティブなところもあれば、ネガティブな声もあるかもしれません。

つい昨日、「牛乳パック問題」で有名な前田健太先生とコラボイベントを開催させていただきました。その中で出てきた前田先生の「算数を愉しんで欲しい」という想い。

「?(はてな)」から「!(なるほど)」を原点にした授業をしたい。というお話がありました。

そう、子どもは皆好奇心が根っこにあって、「?(はてな)」は常に思っていることなんですよね。だけど、そのハテナで始まった疑問から算数の授業が必ず始まるわけではありません。いきなり「公式」があって、「こう解かなきゃいけない。」と指定された解法通りに解くというのが我々が主に習ってきたやり方です。オリジナルの筆算を使っていいわけではなく、常に正解があるやり方だと思うのです。

算数の領域に収まらず疑問に思うことはたくさんあるかもしれないけれど、算数という型に当てはめられた中で考えなければいけない、カリキュラムに沿って教えなければいけないという制約がある中での指導があるのです。人によって窮屈さを感じるかもしれない。

・・・だからといって、既存のカリキュラムが間違っているわけではありません。なぜなら今の教育のやり方がマッチしている人もいるわけだから。私は、計算が元々得意(日常的にいろいろな計算をしていたからですが。)だったこともあり、公式を知って、問題が解けて、それだけで楽しい!と感じることもたくさんありました。(私のように、算数への好きになり方は一様ではありません。)

ただ、より人間らしく、学ぶということを考えたときの結論として、前田先生の想いが見えてくると思うのです。目的あってこその教育です。

その目的のために、よりよいカリキュラムを目指す必要性があると思うのです。

カリキュラムに沿って学ばなくてはいけない。そんな制約通りに学ぶことは、算数を学ぶために算数を学ぶようなもの。でも、本当は、よりよく生きるための教育が目的であると思うのです。

実は大人でも一緒だと思っています。実は、公式自体を楽しんでいた人は、数学にそもそも困っていません。既存のやり方がものすごいマッチしていた・・・ということですので。

しかし、ちょっとの疑問を持ち続けた大人たちがたくさんいるのです。なぜ?なぜ?そんな迷子になった大人たちがうちの教室に通っているという現状があります。

万能で完璧な先生はいないと思います。どんな先生からでも生徒は学ぶことができると思っています。しかしそれでも、前田先生のような先生が増えてくるとよいなぁと思っています。算数が楽しめるというのは、現実の物事を用いた数学を愉しめているということですので、きっと数学を学ぶのに大きな架け橋となってくれるはずです。算数で得たワクワク感はきっと大人になっても、様々な数字や構造を見る中で役立つはずです。

前田先生と私は全くやっていることが違うようにみえるかもしれませんが。私がやりたいのは、一人ひとりが自分の人生を全うできる未来です。そのための数字力を築いていくのです。大きな根っこのところでつながっていると思っています。

引き続き、前田先生とのイベントコラボ第2弾が開催できたらよいなぁとこっそり思っております。こうご期待!

※先日開催したイベントはこちら(引用:[オンライン]小学校の現役教師&大人の数トレ教室代表による「これからの算数教育」

前田先生のTwitterはこちら(引用:前田 健太@算数好きの先生

<文/堀口智之>