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2019年の倒産の原因を数字で分析する

2019年の企業倒産の原因とは?

中小企業庁は、倒産の原因について調べており、個々の原因まで詳しく見ていくことはできませんが、ある程度の理由についてこちらに掲載されています。
倒産の原因ランキングはこちらです。

  1. 販売不振
  2. 既往のしわよせ
  3. 放漫経営
  4. 連鎖倒産
  5. 過少資本
  6. 設備投資過大
  7. 売掛金回収難
  8. 信用性の低下

 

倒産の原因をそれぞれ詳しく見てみる

1.販売不振
販売不振とは、言葉のままです。売上がそれほど上がらなかったためだと考えられます。

2.既往(きおう)のしわよせ
以前からの赤字が積み重なり、長期的に業績が悪化し続けて倒産し続けることを指します。

3.放漫経営
経営のずさんな管理や経営者の能力不足が原因です。

4.連鎖倒産
大口の取引先などが業績悪化による支払いの遅れなど他社の倒産に巻き込まれてしまうことがあります。

5.過少資本
資本金の少なさが倒産の原因になってしまうこともあります。売上金はなるべく早めにもらい、支払いはなるべく遅くがって速になります。内部留保の蓄えも必要となります。

6.設備投資過大
設備投資が過大になれば、せっかく現金をためておいても、資金繰りがうまくいかなくなることにつながります。将来の売上のために先行投資は必要ですが、投資のしすぎも禁物です。

7.売掛金回収難
取引先、顧客とのやりとりの中で、売掛金が回収できないことがあります。特に多額の取引の場合には気を付ける必要があります。

8.信用性の低下
信用性は企業にとって極めて重要です。きちんと約束が守れるか。信用が低下すれば、融資が受けにくくなり、売上低下にもつながります。

 

倒産の原因円グラフ

中小企業庁WEBより作成(倒産の原因6位以下は「その他」に含む)

 

倒産の原因をポジティブに分析する

経営がうまくいっているとはどういうことか。経営がうまくいっているとは、”うまくいっていないことがない”ことを指します。つまり、倒産するような原因を極力排除していくことそのものが経営の秘訣といっても過言ではないと思います。

1位は販売不振で全体の72%と、2/3以上を占めています。つまり、販売不振に陥らなければつぶれる理由の7割が消えるわけです。確かに、売上が下がれば、倒産に近づいているということは、誰しも想像ができるはず。企業にとって重要なのは、売上です。売上はガソリンです。ガソリンがなければ、車は走りません。いくらいい車を持っていても、遠くにもいけないのです。

つまり、まず企業は売上を上げるというのが前提です。安定的に売上を上げ続けることが必要なのです。

 

「販売不振」を深く考察する

販売不振とは、売上が低下することです。これをそのまま受け取ってはいけません。売上が下がれば、当然ガソリンがなくなっていくようなもの。しかし、ガソリンが少なくなれば、ガソリンが増えるように努力が必要です。近くのガソリンスタンドが倒産したからといって、少し遠くまでいけば、またガソリンスタンドはあるでしょう。また、燃費のよい車に変えるというのも一つの重要な考え方なのです。やることはたくさんあります。

つまり、いくつかの要因が考えられます。

  • 売上が低下したときの代替売上向上案がなかった
  • あまりに急激に売上が低下してしまい対応ができなかった
  • 売上低下に対応した組織体制にできなかった

など、一言で「売上低下」といっても、いろいろな可能性があります。売上アップして倒産する会社は基本的にありません。しかし、売上低下は倒産にいたることがあります。売上低下は基本的に予測できず、いきなり低下するのです。どの企業も予測するシミュレーションをして、事前に対応策を考えることが必要です。

 

調査結果は信用してはならない

例えば、1の販売不振ということですが、これは原因ではありますが、販売不振に陥ったときに、何らかの対応が打てなかったということです。「もし、販売不振に陥ってしまったら?」とその計算をしていなかったということになります。もし計算をしていれば、事前に手の打ちようはあるはずです。販売不振に陥ったとしてもよいような組織体制にしておかなかった・・・という風にも見ることができます。

つまり、販売不振に陥ったことが原因のように見えますが、全く内部では違うことが多いということを、このようなデータを読み解くときに念頭に置くべきです。つまり、データだけ集めていってもそれが真実かどうかは別問題です。

このようにネガティブなように聞こえるかもしれませんが、企業としての安定性を確保するに、このような思考がとても重要です。弊社も設立からまもなく10年。すべてが完璧に安泰・・・とは言いませんが、倒産せずにやってこれています。(というか、すべてが安泰の企業は存在しないと思いますが(笑))

倒産しない組織をつくる。経営における数字力を活用していく上で、それを前提にして組み立てていくことはとても大切なことです。

<文/堀口智之>