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数学的思考法とは何か

数学的思考とは何のことなのでしょうか。

実は、世の中には、2つの「数学的思考」が存在しています。

この2種類の数学的思考をきちんと見分けたうえで、数学的思考を学ぶことが大切です。数学的思考は多くの人にとってみれば、ざっくりしていて曖昧で、よくわからないものとして存在しています。

 

数学の習得によって数学的思考法は身につくか

では、ここで一つの質問をします。


数学ができる人は、数学的思考を持っているのでしょうか。
逆に、数学的思考ができれば、数学ができるのでしょうか。


答えは・・・その通りです。

数学的思考とは、”数学のための”思考法ということです。実は、この考え方が世の中に蔓延しています。つまり、数学の問題を解くための思考法ということです。

例えば、2次関数の最大値を求めるためにどうするか。

平方完成をすることによって、最大値を求めるという思考が重要になります。2次関数の形を見ただけでその頂点を把握するのは至難の業。だからこそ、数学的思考を使って「平方完成」というやり方を使って誰もがパッと見で頂点がわかるように関数そのものの分析をするのです。頂点がうまくわかる形に変形するのです。

しかし、これが数学的思考法である、という現実が、少し悔しくあるのです。
つまり、日常やビジネス側からのアプローチではないということです。

 

我々に必要な数学的思考力とは何か

改めて、最初の質問をもう一度します。


数学ができる人は、数学的思考を持っているのでしょうか。
逆に、数学的思考ができれば、数学ができるのでしょうか。


実は、“数学の考え方を用いた”思考法であれば、これは正しくありません。

数学ができる人は、数学的思考ができる可能性は高いですが、必ずできるとは限りません。数学的思考法ができるからといって数学の様々な定義や公式を知っているとは限らないことから、これは正しくないと言えます。

数学的思考力とは、数学の考え方を用いた思考法であるとしたとき、より社会から求められると思っています。

つまり、数学を何の目的で学ぶのか、その数学をどこで使うかわかっていること、日常のちょっとしたシチュエーションやシーンで数学に物事を置き換えて考える力を、本当は数学的思考と呼びたいのではないかと思うのです。

数学の思考法を、いかに現実に応用するか、という発想の方が遥かに重要のように感じます。もちろん、これは、一つ目の数学的思考法が不要ということではなく、多くの大人が感じている「自分には数学的思考がない。」と感じるとき、おそらくこちらの数学的思考法であるように思うのです。おそらく多くの人は、数学の思考法を現実に応用したいと考えています。同時に、現実に応用するのは極めて難しいと感じています。なぜなら、応用が利くように学ばなかったからです。それがどんな意味を持つのか、数学の思考とはどういうものなのか、ほとんど学ぶことがなかったからです。

これが非常に切なく、もっと数学の面白さを世に発信できるのではと考えています。

数学を、数学側から発信していくのではなく、日常やビジネス側から、数学のよさを再発見していく試みです。

 

2つの数学的思考法

数学的思考は、「数学のための思考法」と「数学の考え方を用いた思考法」と2種類あります。私自身は、数学を用いた思考法を追求していきたいと思いますし、日常やビジネス側からのアプローチによって、ごく一部の人ではなく、もっと多くの人が数学の具体的な可能性について感じれるようになるのではと思っています。

こちらの数学的思考超入門セミナーでは、この数学の考え方を用いた思考法について解説しています。計算の考え方からやさしく、数字に強くなるために、数学の考え方を学んでいきましょう。

<文/堀口智之>