数学を小説で、ストーリーで描いた本として有名な書籍を2冊ほどご紹介していきたいと思います。
数学好きなら一度は通る「数学ガール」
数学界に衝撃を与え、中学・高校生、大学生にも衝撃を与えたであろう「数学ガール」です。(引用:「数学ガール」amazon))
2007年に出版されました。今からもう13年も前なのですね。
このときは、私はベンチャー企業に勤めており、数学・物理の勉強というよりは、ビジネスの勉強に勤しんでおりましたが、中学、高校のとき、大学時代にも出会っていたら完全にのめりこんでいたと思います。本当によい本です。
数学の本と言えば、まずは公式があって、そこから問題を解いて・・・という流れであるはずなのに、この数学ガールはそうではなく、数学をするということが「生きる」こと。「考える」ということにまさに直結していくような、数学の魅力、試行錯誤の跡を楽しめる。そんな味わい深さのある小説になっています。
数学の思考の跡は普段はあまり見えることはありません。見えるのは書籍に掲載されている模範解答だったりするのですが、解答にいたる過程も、登場人物のやり取りの様子が、数学に動きや心を与えてくれるような、そんな書籍になっています。
小説だからといって容赦しない、ちゃんと数学が出てくるところもまた魅力的ですが、人によっては読むのが難しいと感じる方もいるはず。後半、非常に高度な内容にも入り込んでいきます。
私が「数学ガール」と初めて出会ったのは起業直前だったと思います。「なんだこの本は!」と頭を抱えるくらい衝撃を受けました。
著者の結城浩先生とも面識がありますが、すごく優しいお人柄で未熟で無知な私にも温かく接していただきました。小説の書き方として、「頭の中に住んでいるキャラクターが勝手に喋ってくれる。」と話していたのが印象的で、全く頭の中にキャラクターのいない私は非常に衝撃を受けました。Twitter界でも有名です。(参考:結城浩-Twitter)
そして、ロマンティック数学ナイトにも、問題を出題いただいたり、23日にKADOKAWAから出版する「ロマンティック数学ナイト」の書籍にも一部問題を出題いただいております。いつもありがとうございます。(引用:「ロマンティック数学ナイト」amazon)
ちなみに既にシリーズ化されており、現在までに6冊あるようで、少し難易度の低い、「数学ガールの秘密ノート」という書籍もあります。
ぜひ一冊は買って頂き、その面白さを感じていただけたらと思います。
そして、もう一冊ご紹介しましょう。
数学が苦手でも楽しめる「論理ガール」
「数学ガール」は難易度が高く、ちゃんと数学や数式が出てくるというのも人によっては好みがわかれるかもしれません。こちらの記事を読んでいただいている方は特に算数でも苦手な方がきっといるはず。
そんな直接的な数学、数式は嫌、という方にオススメなのが、「論理ガール」。(参考:「論理ガール」amazon)
とてもよい本でのめり込むように一気読みしてしまいました。この本に数式はあまり出てこないので、何と言っても読みやすい。特に数学が苦手な方には、数学から導きだされた論理で考えていく、論理ガール、詩織の考え方はとてもユニークに映るのでは?
数学が苦手、でも、好き。そんな方でも楽しめる数学×小説の一冊目としてとてもオススメです。
ちなみに、著者である深沢真太郎さんはビジネス数学の専門家として活躍されております。既に20冊以上、すごいペースで書籍を出されていて、尊敬です!(参考:ビジネス数学.com)
<文/堀口智之>