お問い合わせ

大人になると数学の難問を解く機会はあまりない説

数学夏祭りの記事を書いて、自分を振り返ってみたところ、そういえば、

「起業してからほとんど難問は解いていない

ということに気が付きました。大学生時代には、数学オリンピックの予選問題や本選問題(予選は何割かは解けていたと思います。)に向き合って、問題を解くというのを楽しみの一つにしていました。

数学オリンピックだから、「高校生のときにやれよ。」というツッコミもありますが(笑)、(数学オリンピックは高校生までしか出場することができない。)高校生の頃には、数学オリンピックという言葉はなんとなく知っていましたが、自分が出れるとかは全く考えたこともありませんでした。

先生からも特にその存在を教えてもらったこともなく、よくわからないまま大学入試を迎えることとなりました。そのときの不満があったのでしょう。難問が解けるということが自分自身のほぼ唯一の強みでもあったし、楽しみでもあったので、大学時代にそのエネルギーを数学オリンピックの本を見ながらぶつけていたのをよく覚えています。

しかし、今はどうか。

 

大人になってから難問はあまり解く機会がない

大人のための数学教室を起業してから、現役時代の数学力ほどはなく、むしろ実力が落ちていくことは感じています。総合的な実力は上がってはいますが、今は基本的な公式すら忘れてしまっている分野もあるので、高度な数学の問題と解け、と言われたらおそらく解けないような気がします。

なぜなら、難問と言われる難関大学入試問題など解くことはほとんどないからです。そもそも社会人のお客様に難問を聞かれることは起業してからほとんどありません・・・。もちろんゼロではありませんが。(白チャート、黄色チャートレベルの問題はありますが、青、赤チャートレベル、理系難関大学入試レベルの問題はほぼないです。)

実は、公式を忘れても、大人に教えることのほとんどない分野もあるので、全く支障は実はないのです・・・。

もちろん、大学入試対策、大学院入試対策の授業をそれほど多く受け持ったことがないからだと思います。(そういった方もうちの教室(和から)に全お客様の1、2割程度通っていたりしますが、私はたまたま受け持った方は数えるほどしかいないと思います。)

大人になってからは、深く数学の問題と向き合っていくというよりは、広く、そして、社会といかにつなげるか、言語化できるかをテーマに自分自身を高めていきました。

なので、難問だけを解くのが数学の楽しみとは全く思っていませんし、むしろ、幅広く「数学は〇〇の役に立っている!」と自信をもってお話できるようになったのは大人になってからです。

高校生の時代とは比べ物にならないほど総合的には高まってはいますが、競技としての数学力は現役生には勝てないなぁと再認識しました(笑)

どんなに深く数学をやっても、やはりすごい人には勝てないなぁとぼんやり思っていたからこそ、自分自身のポジションを再認識した次第です。

すごい人を見ても、そんなすごい人には多くの人はなれないと思います。日本国民全員数学をやっている、つまり競技人口1億人ほどですが、トップ3になれるのは、3000万分の1です。大いなる努力も必要だし、一定の才能も必要そうです。ちゃんと自分の立ち位置を確立させることは、大切ですよね。

ふと、ぼんやり思ったことを記事にしてみました。

 

難問を解いて数学オリンピックに挑戦へ

もしかすると、情報があまりない中学、高校などでは、数学オリンピックの存在を知らないことも十分あるのではないでしょうか。進学校とか、数学オリンピック常連校だったら十分に情報はあるとは思いますが。自分が高校時代に数学オリンピックの存在を知って挑戦していたとしても、日本代表になれる実力はおそらくなかったと思いますが、やはり挑戦すると、数学への「やる気」が一気に変わってくるのは間違いないこと。多くの方に知ってもらえたらよいなぁ。

そういえば、数学オリンピックを題材にしている漫画があり、私もコラムを書いているのでよかったらどうぞ。⇒「数学ゴールデン」

<文/堀口智之>