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10進法と2進法を学ぶ(命数法シリーズ1)

数を名付ける方法を「命数法」と呼びます。

例えば、りんごが3個あったときに、日本語では、「三」と呼び、英語では「three」となります。つまり、言語によって、呼び方が異なるのが普通です。

りんごを数えるときにはどんな呼び方をするかを考えるのが命数法

英語でも、「12」までは独自の名前がついているにも関わらず、「13」からは「thirteen」と、「three」+「teen」の組み合わせになっています。「11」は「oneteen」、「12」は「twoteen」ではなく、それぞれ「eleven」と「twelve」ですね。

日本語は、そういう意味では、「10」までは言葉がきちんとあり、「11」からは、「10+1」という読み方、つまり、「じゅう+いち」、「じゅういち」と読むわけです。それぞれ言語、文化によって、どこまでをきりのよい数として認識するかによって変わります。

 

10進法

まず、我々は読むときに基本10進法を採用しています。およそほとんどの国で採用されています。

つまり、「10個」のものを見たときに、「9+1=10」と考えて、「1の位に0とし、次の桁に新たな1という数を置く。」という定義で考えています。

なぜ、10進法が採用されているかと言えば、諸説あるようですが、主に、手の指の本数が10本だから、というのは納得いく答えです。きりのよい数でちょうど次の桁にうつって新たに1桁目を数えていくのは大変合理的です。

もちろん、パプアニューギニアの部族(オクサプミン族)などでは、最高29まで体の部位(足の指や鼻、ひじなどを用いる)まで用いる部族もあるようですし、ケワ族では68まで数えられる。というのもあり、必ずすべて10で一区切り、というわけではなさそうではありますが。

こういった何進法で考えているのかも命数法の一つのテーマになっています。

 

2進法

例えば、2進法を考えてみましょう。10進法はあまりにごく自然に数えてしまうので、あまり10進法を使っている感覚がありません。なぜなら、10進法で10進数を確認しているので、ピンとこないのです。そんなときは2進数など別の命数法を試してみましょう。(※2進法で書かれた数のことを2進数と呼びます。また、10進法で書かれた数のことを10進数と呼びます。)

すると、10進法は10で繰り上がる、というのと同じように、今度は「2で繰り上がる」ということですので、2という数字は使えません。先ほど10進数では、10という一文字の数字はありませんでした。あくまで一桁目を「9 ⇒ 0」に戻さなくてはいけなかったので、2進数も一緒です。
つまり、2進法の場合は2を使えないので、「1、10、11・・・」と数えていくことになります。それぞれ、10進数でいえば、「1、2、3・・」という数字に該当します。

なかなかはじめはピンとこないかもしれませんね。

2進数でいえば「11」の次の数はどうなるでしょう。10進数では、99の次の数は100となりました。つまり、それぞれの桁でいっぱいになっていたら、一回0に戻し、新たな桁を創れば解決します。
よって、「11」の次は、「100」になります。

こんな感じで数えていけば、

10進数:1、2、3、4、5、6、7、8,9、
2進数:1、10、11、100、101、110、111、1000、1001・・

とそれぞれ対応していくわけなのです。

今回は10進数と2進数だけを考えていきましたが、他にどんなn進法が使われているのか、意識しながら生活してみるとよいでしょう。ちなみに2進数は身近なところでは、主にコンピュータなどに用いられています。

<文/堀口智之>