人口減、過去最大の50万というのがニュースになりました。(yahooニュースより「日本の人口減、過去最大50万人 最多44道府県でマイナス」)
実は、もっともっとこれから減っていくというのをご存知でしょうか。
数字で簡単に求めることができます。
人口ピラミッドで人口の外観を眺める
人口ピラミッドはご存知でしょうか。こんなグラフになっています。
それぞれの男性、女性の年齢毎の分布を可視化したもので、今の日本の人口について、どのくらいの年齢層に偏っているかが明確にわかります。
これだけ見ても明確にはまだわかりにくいとは思います。45歳のところと、70歳くらいのところに人口のピークが来ているイメージです。これは明らかにおかしいと言え、年齢の低い層の方が死亡率が低いこともあり、年少人口が一番人数が多くなければならないのが、そうはなっていないのが、少子高齢化がこれから進んでいく特徴が見えていく。
人口ピラミッドを変形して、年齢毎の分布に変える
男性と女性の人口を合計して、人口ピラミッドのグラフをちょっと形を変えてみます。すると、以下のようになります。
このグラフを眺めてみれば、いろいろと気づくことがあります。
・0歳が100万人を切っていること。
・45歳から下の年齢にかけて、ほぼずっと同級生の人口が減り続けている
・75歳から上の年齢にかけて、ほぼずっと同級生の人口が下がり続けている
ということがわかります。少子化の影響が顕著に出ています。75歳を超えてからの人口がなぜ減っているかと言えば、亡くなる方が増えていくからです。
よくわかりにくいのは、1年でどのくらいの人口が減っていくのかという計算ですが、実は、このグラフを眺めるだけでわかります。
人口は、「in」と「out」から構成される
人口が増える(in)要素は、およそ、0歳の子供が産まれることです。人口が減る(out)要素は、人が亡くなることです。シンプルにこれだけで考えてみると、とんでもない事実が浮かび上がってきます。
inの人口は想定しやすいのですが、outは想定しづらい形です。なぜならそれぞれの人口毎に亡くなる確率を掛けたものを合計する形で数式で考えなければいけません。逆に言えば、数式を使えばわかるのですが。しかし、outはシンプルに大胆に置き換えて考えることでわかりやすくなります。
70歳を基準にすることです。70歳はまだ死亡率が高くなく、理想的にこれから亡くなっていく方(失礼ですが。)と想定できますから。大まかに言えば、70歳の方が全員亡くなると考えてみてください。(これはあくまでモデルの数字上の話なのでご理解ください。現実には亡くなりません。)すると、70歳と0歳の人口の差が人口の増減数にそのまま当てはまると考えてみましょう。(高齢化というグラフ全体が右側に移動していくことを考えなければ)シンプルに、これだけでも十分予測ができます。
人口100万人減少社会がやってくる
2020年における年齢毎の人口のピークは71歳の方です。約210万人同級生がいます。この人口と0歳の差を考えてみましょう。すると、昨年産まれた赤ちゃんは、正確な数字としては、86万人であることがわかっています。よって、その差は、124万人。これからたった1年で人口が100万人以上減少することも十分ありうるのです。
人口100万人減少となれば、仙台市の人口がたった1年で無くなる計算です。とんでもなく人口が減っていくのです。もちろん、日本全体で見てみれば、人口が薄まっていくように見えるので、それほど体感では感じないかもしれませんが、数字上はとてつもなく人口が減ることが確定しています。
71歳よりも下の年齢を見てみれば150~200万人程度ですので、これから毎年50万人ずつは人口が減っていくでしょう。
これは、シンプルなモデルであって、正確な予測ではありません。産まれてくる子供の数が100万人以下であり続ける&医療が発達し、寿命が延びなければ・・などの条件付きです。
現実には、日本人の海外への流出数と、外国人の日本への流入数との差が日本の総人口に影響しているので、多少差はあります。(2017年には、外国人の日本人化と、日本人の外国人化の差はー20万人程度で、日本人が海外に流出していることがわかります。)(引用:大都市圏を中心に増加する外国人(みずほ総合研究所))
<文/堀口智之>