学び直しを数字から始めるときは、使う場面、学ぶ範囲、確認の周期の3つを先に決めます。教材の目次から順に進める方法では、途中で止まったときに戻る場所が決まりません。学ぶ内容を広げるほど、続いているかどうかも確かめにくくなります。
この記事では、勤務を続けながら学ぶ場合を前提に、学習量を時間ではなく項目数で置き、3か月後に続けるかどうかを判断する手順を紹介します。以下の時間・項目数の設定は、説明用に作成した架空のものです。
「何を学ぶか」の前に、使う場面を1つ決める
最初に決めるのは、学んだ内容を戻す場所です。月次の報告資料、見積の確認、会議で受け取る数字の読み取りなど、すでに担当している業務から1つ選びます。
場面を決めると、必要な範囲が絞れます。報告資料を書く場面なら、率と実数の並べ方や分母の書き方が対象になり、統計の検定手法は当面の対象から外れます。場面を決めずに範囲を広げると、学んだ内容を使う機会が来ないまま終わります。
場面は1つだけ選びます。2つ選ぶと、どちらの場面で使えるようになったのかを後から切り分けられません。3か月が終わってから、次の場面を足します。
学ぶ範囲を、計算・データの扱い・業務知識に分ける
数字の学び直しは、3つの層に分かれます。割合や概算のような計算、集計や比較のようなデータの扱い、自社の会計や指標のような業務知識です。
3つは、学ぶ場所が違います。計算とデータの扱いは社外の教材でも進められますが、業務知識は社内の資料と規程からしか取れません。社外で学ぶ範囲と、社内で確認する範囲を分けておきます。どこで止まっているかの見当が付かない場合は、数字力の診断や社会人向けのガイドが入口になります。
現在地の確かめ方:自分の資料を1つ点検する
教材の練習問題を解く前に、自分が過去に作った資料を1つ選んで点検します。見るのは、分母が書いてあるか、率と実数が両方あるか、比較している期間が同じか、単位がそろっているかの4点です。
書き直せた箇所が、いま手が届く範囲です。書き直し方が分からなかった箇所が、学ぶ範囲になります。この点検は、教材を選ぶ前に済ませます。
点検に正解は必要ありません。分母が書かれていないことに気づけた時点で、その項目は確認できています。気づけるかどうかと、書き直せるかどうかは、別に記録します。
短い時間で回すための、週単位の進め方
40代で勤務を続けながら学ぶ場合、1週間に取れる時間は限られます。時間の量は、年齢ではなく担当業務と生活の時間配分から決まります。そこで、学習量を時間ではなく項目数で置きます。
1回20分を週3回とすると 20×3=60分、12週では 60×12=720分、時間にすると 720÷60=12時間です。1回で1項目を扱うなら、12週で 3×12=36項目になります。「1日30分」ではなく「今週は3項目」と置くと、週末に終わった項目を数えるだけで進み具合を確認できます。
8週目の予定は 3×8=24項目です。実際が18項目なら、進み具合は 18÷24×100=75.0%です。分母の24項目は、8週目までに終えている予定の数です。残り4週で36項目に届かせるには 36-18=18項目、週あたり 18÷4=4.5項目が必要になり、いまのペースでは届きません。範囲を減らすか、期間を延ばすかを、この時点で決めます。
この計算で分かるのは進み具合までで、理解の深さまでは測れません。項目を終えたかどうかと、その内容を説明できるかどうかは、別に確認します。
資格を取るか、業務に直結させるかの判断
資格の学習は、範囲が外から決まっていて期限も明確です。業務に直結させる学習は、使う場面がすでにあるため、身に付いたかどうかを確認しやすくなります。
選ぶ基準は、最初に決めた場面との距離です。担当業務に必要な範囲が出題範囲と重なるなら資格を軸にし、重ならないなら業務側から進めます。両方を同時に始めると、週あたりの項目数が2倍になります。
資格を選ぶ場合も、出題範囲の全部を一度に対象にはしません。決めた場面に近い分野から項目へ分け、同じ週3項目の形で回します。範囲の広さは、項目数として扱います。
3か月後に何ができていれば続けるか
始める前に、12週後の確認項目を書いておきます。最初に選んだ資料を作り直せること、分母と期間を聞かれて答えられること、終えた項目が予定の何割かの3つです。
進み具合が75.0%から90.0%へ動いた場合、差は15.0ポイントです。「15%増えた」と書くと 75.0×1.15=86.25%を指すことになり、別の数字になります。率の書き方も、確認の対象に入れておきます。
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