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将棋は先手と後手、どちらが有利か

将棋は先手と後手、どちらが有利なのでしょうか。

結論から言えば、「先手」の方が有利です。

先手の勝率が52.9%、後手の勝率が47.1%です。先手になると、12%程度勝率がアップします。(※)2015~2019年までの5年間のデータより算出しました。

参考までに、藤井聡太二冠のこれまでの対局データ(~2020年7月14日)からすれば、先手が87.5%で、後手の勝率が81.7%になっています。どちらも異常に高く、先手にいたっては、87.5%の勝率は、見たことのないくらいの強さです。おそらく、「毎回勝てる」という印象で、毎回の対局に挑んでいるんだと思います。8回中7回勝ってますから、7連勝が当たり前の勝率です。

他の棋士でも同じで、プロ棋士の方のほとんどが先手の方が勝率が高く、羽生善治九段も、先手の勝率74.8%、後手の勝率66.0%です。先手になると、13.0%程度勝ちやすくなります。

 

プロ棋士の中で誰が最も先手が強いか

これまで1000局以上対局実績のあるプロ棋士の中で20%以上先手が勝つやすくなる現役の方を出してみたところ以下の4名いました。

  • 佐藤康光・・・21%
  • 高橋道雄・・・21% 
  • 森内俊之・・・22%
  • 神谷広志・・・38%

神谷広志8段は、藤井二冠が29連勝の前に28連勝という大記録を作った棋士としても有名な方です。

 

あの伝説の棋士の勝率は

そして、あの伝説の棋士の一人と誰もが認める大山康晴さんは、なんと後手の方が強く、先手62.1%に対して、後手64.6%でした。わずかながら後手の方が強いのです。なぜでしょうか。

理由は明確にはわかりませんが、「受けの大山」とも言われており、相手の攻めをさらりとかわし、攻めに転じる。そういった棋風がこの勝率にも表れているのかもしれませんね。

 

youtube動画でも解説しました。ぜひご覧ください。

※ ここでの勝率の割合は、47.1に対して52.9が何パーセントアップかを計算しています。わかりやすいようにこのような計算方法を選んでいます。アップするパーセントポイントで言えば、5.8パーセントポイントになります。

<文/堀口智之>