TwitterなどのSNSを見ていると、様々な意見が日々飛び交っていることがよくわかります。
- 〇〇が大事!
- 〇〇が重要!
- 〇〇さんはダメ!
- 〇〇をやったほうがいい!
などなど、様々なツイートがなされ、まるでそれがすべて正解かのような錯覚に陥ってしまう、という感覚は誰しも一度は感じたことがあるはずです。SNSはごくごく個人的な意見にも関わらず、それが社会全体にも影響を及ぼすということが頻繁に起こっています。一企業が一人のSNSの投稿によって崩壊してしまう。炎上してイメージダウンする。数百億単位の売上減少につながってしまう・・・。
これが意味するのは、「何が重要であるのかわからなくなってきた」ということです。
重要性は社会が教えてくれる
私が大学のときにずっと思っていた疑問は、
「自分は今数学や物理などの専門分野を学んではいて、素晴らしい世界のように感じるけれども、自分の学んだ世界がすべてなのだろうか。」
という疑問でした。
答えは簡単でした。否。
明らかに否定的な答えが自分の内側に確信としてありました。
つまり、自分のやっている行為は、社会に対して何の役にも立てていないという激しい気づきと落ち込みが同時にありました。もちろん、学んでいること自体には大いに満足しています。しかし、自分が学んだからといって、同じように学ぶ大学の同級生が数千人といて、自分が社会にとってどんな価値があるのかわかりませんでした。
学びは誰にとっても並行に訪れますが、社会が求める優先順位に今の自分が入っているかどうかがわからなかったのです。
そこで行ったのは、「インターンシップ」です。ベンチャー企業で働きました。すると、どうでしょう。
自分の成果や会社の成果は非常にわかりやすい優先順位で表現されます。シンプルに言えば、売上を上げるのが正解で、売上を上げないのは不正解です。
これが正しいか正しくないかは置いておいて、優先順位は非常に明確になりました。
売上を上げること自体が企業にとっては非常に重要なことなので、何をやるべきかが明確にわかったのです。これは、優先順位のない自分には大きな出来事でした。
我々は「量」を気にする必要がある
我々のあらゆる行動は、100人中10人が幸せになる行動なのか、100人中15人が幸せになる行動なのかの違いです。
つまり、すべての行動は何等か影響を与えていることは間違いありません。
我々に大切なのは、「量」の感覚なのです。数量で物事を判断できると、その優先順位が明確になります。
その行動は企業にとってみれば、売上を1億上げるのか、それとも10億上げるのか。10倍違ってきます。
これは、最近のSNSで語られることに非常に近いと思っております。
大学の教授?など社会的地位がある人が
「〇〇がないのはおかしい!」
その意見を聞いただけで何もその業界の知識のない人は「確かにそうだ!」となってしまいます。
最近でも、
「日本国民全員にPCR検査を受けさせるべきだ!」
という意見も一時期ありました。確かに全員が感染しているかは調べたほうがよいにはよいのですが、検査には、偽陽性、偽陰性が出るのは当然です。つまり、本当は陽性の人が陰性という検査結果が出てしまえば、その人一人が行動するだけで、どんどん広まっていってしまう。これが日本全体におけるパンデミックを引き起こすにも関わらず、
優先順位の非常に低い行為が、多くの人の心を動かし、まるでそれが正しい意見としてふるまい、全体として世論を形成していく流れになっていってしまうのです。
すごく小さく見えることが一見正しそうに見えるということがあるのです。これは、優先順位の間違いです。たった今でも1日数万件しかPCR検査が行われていない中、日本国民全員に受けさせるのに、何年かかるでしょうか。
Twitter、Instagram、各種SNSで個人の声が大きく社会全体に届くようになりました。しかし、優先順位で言えば、間違った意見もまかり通ってしまっている社会に近づいているように感じ、危惧しています。
優先順位の低いものといえば大きく2つ。「過激な意見」「エンターティメントとしての意見」この2軸が、皆の心を揺さぶるのでしょう。
悪い社会になっているわけではない
これは、ある意味よい傾向とも言えます。
「小さい意見」を大切にする社会になってきています。一人ひとりの発信が社会全体を変えうる力を持つことは素晴らしいことでもあります。しかし、発信する自由には、その責任も同時に問われてくるのが現実です。
最近では、有名人のSNSにおける誹謗中傷において、300万以上の示談金を支払うことで示談が成立した、というニュースもありました。(誹謗中傷した本人からすれば)たった一言のさりげない発信・渡航によって多額の現金が動いていくのです。
SNSの使い方が今、問われています。
SNSを向き合うための数字力。優先順位を考えながら、各種SNSと向き合っていきたいものです。