「数字が苦手でしょうがない。」「数字が嫌い。」「・・・でも、学ばなくちゃいけない。今のままではいけない。」
そんな方に向けて、数字に強くなるための3つの秘訣について書いてみました。ぜひ読んでいただき、数字センス向上のためのヒントにしていただけたらと思います。
1.大きな数に慣れることが大事
小さな数字であれば、比較的慣れている方がほとんどのはず。日常的に使うお金は、数百円から数千円程度。1万円くらいであれば慣れていることでしょう。しかし、100万円を超えてくると一気に難易度が急上昇します。1000万円を超えてしまうような大きな数は、一気に読みづらくなることは間違いありません。
1,000(千円)
と書かれていたらなんと読むでしょうか。
意外とすぐに読めないことでしょう。
実は、この読み方は義務教育でちゃんと学ぶことはありません。あくまで社会人になってから初めてみる形式であることがほとんどだと思います。なぜこのような形式なのか。そもそも、数字に3桁ずつカンマを付ける習慣はなぜあるのか。それは、英語の読み方がそのように読むからです。
順に読むと、「thousand」「million」「billion」「trillion」となります。それぞれ、日本語で言えば、「千」「百万」「十億」「一兆」となります。この対応付けが慣れていなく、大人になって、財務諸表などを見なければいけない瞬間に突然素早く読むことを求められるので、ある程度読めるように、何度も反復して練習することが大切です。
カンマの数 | 日本語 | 英語 |
1 | 千 | thousand |
2 | 百万 | million |
3 | 十億 | billion |
4 | 一兆 | trillion |
2.数字を”ちゃんと読む”ようにする
1の数字を読む、というのを実践したあとにどうするか。実は、それでも多くの方が数字を読めてないのです。正確には、見えてはいます。しかし、読めてはいない。
例えば、新聞に「1000億円」と書かれていたら、なんと読むのでしょうか。
1000億円と読めますね。
もちろんこれ自体はよくわかると思います。しかし、知りたいのは、その1000億円が何を意味するのかを知らなければ数字に強くなるとは言えません。それを含めて、「読む」ということです。例えばこんな感じです。
1000億円は、1万円の商品を1000万人が販売したときの売上
あるいはもっと高額な商品
1000億円は、100万円の商品を10万人に販売したときの売上
1000億円は、一人あたり1000万円の年収を持つ人を1万人雇用したときの年間人件費
とも換算することができます。
数字を読むとは、その数字が何を意味するのかを含めて読むということです。もちろん、最初はつらいでしょう。だから、少しずつでよいのです。少しずつ読んでいけば、いつか強固な土台を形作ることでしょう。
3.概算で十分であることを知る
概算とは、ざっくり計算すること。まず、ざっくりでもよいということを知ることが大切です。
計算問題を見た瞬間に「ちゃんと計算しないと・・・」と思うように我々は教育を受けてきました。その手法が「筆算」です。しかし、大人になってから何度筆算を使ってきたのでしょうか。しかし、計算をしなければいけないような場面は、Excelや電卓など、ツールが代用されてきてしまっているのが現状です。筆算は時間をかけて学んだわりにあまり活用していません。
概算とは、誤差を踏まえた上で、計算すること。我々は「概算」を活用するだけでよいのです。もちろん、概算するときに、筆算が基礎にはなります。頭の中で概算を組み立てるときには筆算が役立つこととは思います。最初は頭から2桁目を四捨五入するだけで十分です。(もちろん、誤差の割合も踏まえて計算できたら尚よいです。)もちろんすべてが概算でよいわけではありませんね。ちゃんと計算する場面では電卓やエクセルなどのツールを用いたらよいでしょう。概算で十分であることを知って、活用することが大切なのです。
数字に強くなるためには、習慣が大切
まずは上記の3つを知った上で、数字に強くなる人材を目指して楽しく数字とふれあっていきましょう。
朝起きたらいきなり数字が突然強くなることはありません。日常的に数字や計算、ご紹介した概算など意識して過ごせば、ゆっくりとではありますが、確実にあなたの力に変わってきます。無意識的な判断レベルでロジカルシンキングやクリティカルシンキングの元となる思考力が身につくことでしょう。
ぜひご活用ください。
<文:堀口智之>