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数字ができないという弱みより、自分の強みを活かしたいという人へ

強みだけ活かせれば本当によいのか

よく、「強みだけを活かせばよい!」という話を見かけます。

たしかに一理あります。苦手分野はものすごい伸びにくい。だから、ものすごい時間をかけて学んでもなかなか前に進まない。だから、強みだけ、自分の長所だけを学ぶべき、と。

私も昔、そう思っていました。

自分の強みである、「数学」だけ延ばせばいいのではないかと考えていました。

しかし、ふとあるところで気づきます。

強みだけをふと伸ばしている人はどこにでもいる、と。

数学オリンピックメダリストに、果たして自分は勝てるんだろうか。と考えたら、やはり、勝てないのです。数学人口1億人の中のトップ10にはいれるか。いや、100、・・・1000、1万。トップ1万であっても、1万人中1人でとんでもない天才と考えてよいと思います。既にIQなら約155。偏差値なら85の大天才です。

強みをどんどん活かすのはよいけれど、本当にその領域で勝てるのかと考えたとき、なかなか勝てないということに気づくのです。

 

強みを活かせば苦手分野は無くなるのか

よく、強みを活かせば苦手分野はそれほど意識しなくなるという話があります。これも同じです。中途半端に強みを活かしたとしても苦手分野はなくならないと思います。しかし、ある地点を突き抜けることができれば、世界に一人とか、人類史上初めてという領域までくれば、ある一定の社会からのリスペクトを元に生きることもできると思います。

「野球しかできない」人なのに、「プロ野球選手になれなかった」人は何をして生きていくのでしょうか。強みである野球を伸ばすこと以外のことをきちんと伸ばすことを意識して生きるというのが長い人生のキャリア構築の上で必要です。

 

起業する前に言われた一言

起業する前に、多くの人からアドバイスをもらいました。
その中でも最も重要だったアドバイスの一つが以下です。(多少脚色しています。)

「お前は数学だけできれば世の中の役に立つと思っているかもしれないけど、そもそも最低限のことができていないと、相手にされない。しかもそこに気づいてない。長所を伸ばすんじゃなくて、最低限の短所はゼロにしておかないといけない。長所だけで生きていけるくらいの才能があると思ってるの?」

と。あまりに自分の甘さ、軽く考えてしまっていたことに本質をつかれてしまったので、非常に大きなショックを受けたことをよく覚えています。

数字力の教室をやっていて気づくこと

短所である数字力を鍛えることは、苦手意識を無くすこと。つまり、自分の苦手分野をゼロに持ってくることだと思っています。一生ついて回るのが数字です。物事を責任もって決めるというときに必要なのが、数字です。

苦手なままでいると、常にマイナスを抱えている状態です。マイナスを抱えている人は、いつの間にチャンスを逃してしまいます。短所を短所のままにしておくと、その短所を意識せずに過ごすこともありますが、それは、短所から逃げているだけ、ということにもいずれ気づくはずです。

今お話しているのはバランスの話です。苦手分野だけを学ぶことがよいという話では決してありません。長所は長所で伸ばしていく、それよって自信につながる。自己肯定感が高まる。非常に素晴らしいことです。ただ、苦手はゼロには持ってこようね、とそこにプラスする形です。

「短所を長所にしよう!」ということではなく、「短所をまずはゼロにもっていく」、ということです。最初の一歩は短所がゼロになること。ぜひ意識してみてください。

<文/堀口智之>