前年比と成長率の計算を、前年比を出す、成長率を出す、前年の値に戻すの3種類で、計10問練習します。前年比は前年を100としたときの今年の大きさで、成長率はそこから100を引いた増減分です。どちらも分母は前年の値ですが、答える形が違うため、同じ資料から2通りの数字が出てきます。減った年は、前年比が100を下回り、成長率はマイナスになります。
この記事では、増加だけの問題から減少、2年分をつなぐ問題へと順に進め、最後に前年の値を逆算します。問題の金額・人数・日付は、説明用に作成した架空のものです。目安時間は、この記事で置いた練習用のめやすです。
練習の前に:型を1つ
前年比は今年÷前年×100、成長率は前年比-100で出します。たとえば前年比145%は成長率45%にあたり、「145%増」ではありません。前年の値に戻すときは、今年の値を前年比(小数にした値)で割ります。式の意味は前年比の解説と、割合・前年比・構成比の読み方で確認できます。解くときは、どの数字が前年の値かに先に印を付けてください。
練習1:前年比を出す(問1〜4)
この記事の問題はすべて、割り切れない答えを小数第2位で四捨五入し、小数第1位まで答えてください。
問1 ある店舗の売上は、前年同月が640万円、今年同月が832万円でした。前年同月比は何%ですか。
問2 有料会員の数が、前年は1,480人、今年は1,730人でした。前年比は何%ですか。
問3 ある部門の経費が、前年の520万円から今年は442万円になりました。前年比は何%ですか。
問4 来店客数が、前年同月の3,260人から今年同月は2,915人に減りました。前年同月比は何%ですか。
練習2:成長率を出す(問5〜8)
成長率は、増えたときはそのまま、減ったときは「-」を付けて答えてください。前年比を出してから100を引く順で解くと、符号を取り違えにくくなります。
問5 月間の受注件数が、前年の440件から今年は517件になりました。成長率は何%ですか。
問6 ある事業の売上が、前年の2,150万円から今年は2,480万円になりました。成長率は何%ですか。
問7 ある商品の売上が、前年の950万円から今年は817万円になりました。成長率は何%ですか。
問8 ある部門の売上は、2年前から前年にかけて前年比125%、前年から今年にかけて前年比80%でした。今年の売上は2年前の何%で、2年前からの成長率は何%ですか。
練習3:前年の値に戻す(問9〜10)
今年の値と、前年比または成長率から、前年の値を出してください。2問とも、答えは割り切れるように作ってあります。
問9 今年の売上は1,352万円で、前年比104%でした。前年の売上はいくらですか。
問10 今年の展示会の来場者は7,820人で、成長率は-8%でした。前年の来場者は何人ですか。
時間を計る
目安は1問40秒、10問で6分40秒です。2回目以降は1問20秒、10問で3分20秒を目標にします。
1回目は電卓を使ってかまわないので、どの問題も「今年÷前年」の形で式を書き出してから計算してください。2回目は式を書かずに時間を計り、3回目は間違えた問題と問8だけを解き直します。時間を縮めるときは、割り算の速さより、どちらを分母に置くかで迷わないことを先に目指します。問8のように2年分をつなぐ問題は、1問40秒に収まらなくてもかまいません。
解答と解説
答え合わせでは、答えの数字だけでなく、分母に前年の値を置いたかどうかも確かめてください。割り切れない答えは、小数第2位を四捨五入した値に「約」を付けています。
問1 130%。832÷640×100=130です。増えた192万円を640万円で割った30%は成長率で、前年比ではありません。
問2 約116.9%。1,730÷1,480×100=116.89…で、四捨五入して116.9です。分母を今年の1,730人にすると約85.5%になり、意味が逆になります。
問3 85%。442÷520×100=85で、今年は前年より15%少ない水準です。減った分の15%を、前年比と取り違えないようにします。
問4 約89.4%。2,915÷3,260×100=89.41…です。減った345人を今年の2,915人で割るのではなく、分母は前年の3,260人に置きます。
問5 17.5%。517÷440=1.175で前年比117.5%、100を引いて17.5%です。前年比の117.5%をそのまま答えると、成長率になりません。
問6 約15.3%。2,480÷2,150×100=115.34…で前年比約115.3%、100を引いて約15.3%です。増えた330万円を今年の2,480万円で割ると約13.3%となり、誤りです。
問7 -14%。817÷950×100=86で前年比86%、86-100=-14です。前年比86%を「86%減」と読まないようにします。
問8 100%、0%。1.25×0.8=1.00で、2年前比は100%、2年前からの成長率は100-100=0%です。+25%と-20%を足して5%とするのは誤りで、2年で2年前の水準に戻っています。
問9 1,300万円。前年比104%は前年の1.04倍なので、1,352÷1.04=1,300です。1,352×0.96のように4%を引いて戻すと1,297.92万円となり、前年の値に戻りません。
問10 8,500人。成長率-8%は前年比92%なので、7,820÷0.92=8,500です。7,820人に8%分を足して戻すと8,445.6人となり、前年の値とずれます。
前年比と成長率の取り違え、前月比と前年同月比の使い分けは、「前年比・構成比の読み違い10」という無料教材の1番「前年比と成長率を同じものとして扱う」と10番「前月比と前年同月比を使い分けない」にまとめてあり、教材は数トレ教室の公式LINEアカウントから届きます。社内の指標の定義を決めるものではないので、集計のルールは社内の資料と合わせて確かめてください。
大人の数トレ教室
「数字が苦手」は、大人になってからでも変えられます
数字が苦手な社会人のためのトレーニング教室。2010年創業・累計20,000人以上が受講。
日本経済新聞・朝日新聞・PRESIDENTなどメディア掲載多数。まずは無料の体験セミナーから。
あなたの悩みから読む
部下や社員の数字力でお困りの方(人事・管理職)は 企業向けの数字力研修(和から) をご覧ください。
