さて、オリンピックもいよいよ明日が閉会式です。やはりわかっていたことではありますが、選手や関係者で感染者が増えています。
日本人の素晴らしい活躍と共に、「オリンピックのせいでコロナが広まってやばい!」と感じている方もきっと多くいることでしょう。
改めて数字で、「東京オリンピック2021が新型コロナウイルスをどこまで広めているか?」という話を掘り下げて考えていきたいと思います。
さて、まず、オリンピックの来日選手は11000人、海外からの関係者は4万1000人ほどが来日すると言われています。(新型コロナに感染している人が来日するのでは?と不安はありますが、空港での当然PCR検査等もあるので、明らかな感染者は入国できませんが、100%感染が判明できるわけではありません。)
大前提となる数字
まず大前提として知っておきたいのは、「日本は世界から見れば感染率は低い国」であるということです。
2021年8月7日現在、約2億人程度が感染していることがわかっており、2.5%程度。実は、既に40人に1人程度です。感染がわかっているだけでこの程度ですから、実態はもっと多いはず。
日本では、ちょうど100万人程度(2021年8月7日現在)が過去に感染しており、0.8%程度、つまり、120人に一人程度の割合です。
日本に比べて世界は、3倍もの割合で感染者がいます。この時点で、日本は相対的に安全な国であるとの認識をすることが大切です。
そうなったとき、来日するオリンピック感染者はどのくらいいるかと言えば、
・3万7579人のうち、空港で陽性が判明した人は30人。(0.08%⇒1250人に1人)
・オリンピックの関係者(国内・国外含めて)で累計404人の感染
となっています。国内外の大会関係者は6月2日の記事(引用:五輪ボランティア、1万人が辞退 大会関係者数を初公表)によると、おおよそ25万人で、そう考えれば、感染率は0.16%程度(600人に一人程度)と明らかに低いということがわかります。
なぜなら、東京の2021年7月1日~8月6日の感染者数は66,719人ですので、人口比率は約0.5%。むしろ、今回の東京オリンピックの大会関係者の感染率はなんと1/3。
相対的に比べて「低い」と言い切ることができます。
結論。オリンピックの選手や関係者によって感染が広まるということはあまりなさそうで、むしろ、東京を中心とするコロナの広がりが選手や関係者に広がっていっているように見えます。
むしろ、オリンピック開催による間接的な影響が大きいのでは、と予想できます。開催に伴う国民への行動の影響、観戦に伴う家族や友人との交流等が感染を広めている可能性があると考えられそうです。
安心はしきれません
ただ、感染には潜伏期間もありますし、まだ安心ということではありません。デルタ株という非常に感染力の強い変異種も広まってきています。
また、実際のところ重症化しやすい高齢の方のワクチン接種は進んでおり、重症率や死亡率も変化してきているという声もあり、注視が必要です。
オリンピックが終わっても、まだパラリンピックが残っています。感染を広げないためにも一人ひとりのお盆の行動も重要です。もし帰省をされる際にはその地域や家族を守るためにも十分な注意が必要です。
引用
・オリンピック 新型コロナ 大会関係者など新たに22人感染確認(8月7日)
<文/堀口智之>
引用記事: 東京オリンピックはコロナの感染を広めているか?