■中国の不動産市場は5兆ドルの負債を抱えている
こんなニュースが流れてきました。
今の中国不動産市場がとてつも無いリスクを抱えているというニュースです。
・恒大以外にも、中国不動産市場に5兆ドル負債-The Wall Street Journal
先日から話題になっている「恒大集団」。現在、巨額な債務を抱えており、破綻すれば、「中国版リーマンション」ではないか。などというニュースが流れました。しかし、負債額はリーマンション時のおよそ半分です。それほど危なくもないように聞こえます。。約34兆円の負債を抱えているとされています。
しかし、リーマンショックのように連鎖的に世界的な金融危機が起こらないとも限りません。なぜなら、リーマンショックに限らず巨大企業の倒産や資金の焦げ付きは、「貸しはがし」や「貸し渋り」を引き起こし、中小企業の連鎖的な倒産へ。急激に社会全体への景気を悪化させることにつながりました。
そんな中、中国不動産市場に5兆ドル負債とのニュース。しかもこの5兆ドルというのはとんでもない額で、日本の不動産市場の額と比べてみると、その凄まじさがよくわかります。
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日本不動産融資額と比べてみると約7倍
日本の不動産融資は、2020年から新型コロナウイルスの感染拡大に伴い大きく増加しました。20年末残高が最高84兆円まで登りました。
しかし、その額とは比べ物にならないくらい大きいのが今回の負債額。約561兆円もの負債を抱えているのが中国の不動産市場。日本の不動産の合計負債の約6.7倍にも登るその凄まじい額は、もし恒大集団が倒産してしまったら・・・とその連鎖的な波及効果から起こる恐怖をより増加させます。
ちなみに、当然経済規模(GDP)は中国の方が約2.7倍(中国14.7兆ドル。日本5.4兆ドル)大きいので、その分を調整したとしても約2.5倍も負債を抱えているというのが中国の不動産市場です。
しかも、日本の今の不動産債務額は、2021年過去最高を更新し、バブル期を上回る水準ともされているくらい膨れ上がった額です。その2.5倍とは・・・。
いかに中国の不動産市場が大きな爆弾を抱えているのかがわかったのではないでしょうか。
ちなみに、中国恒大集団を含む多くの中国不動産大手では、巨額の簿外債務を抱えている可能性もあるとのことです・・・。(引用:中国不動産大手に巨額簿外債務 米金融大手が指摘)
これからの恒大債務問題のニュースに注目です。
<文/堀口智之>