子どものときに、「算数」は好きでしたか?
決してポジティブな答えが返ってこなさそうです。ネガティブな答えが返ってくるかも。
好きな教科、嫌いな教科の調査
実は、「小学生白書2019」によると、「一番好きな教科」「一番嫌いな教科」の調査があり、算数好きと算数嫌いの割合は、それぞれ、25.3%、24.8%とほぼ同等で、実は、ほぼ4分の1ずつにあたります。(参考:小学生白書(2019年8月調査)-学研教育総合研究所)
どんな教科で調査しているかと言えば、国語、算数、英語、理科、社会、保健体育、音楽、図画工作、家庭科、道徳、生活、総合的な学習など・・・12種類以上の科目がある中で4分の1もの「一番」を得るとは、「算数」は、皆の記憶に強烈な印象もたらす教科と考えてよさそうです。
特に、「一番嫌いな教科」は、国語が22.9%、算数が24.8%とわずかに算数嫌いの方が多く、嫌いな科目はないと答えた人が27.1%と、ほぼ1/4ずつになっているのが面白く、残りの1/4(25.2%)を、他教科が占めている状態です。
国語が多いのは意外ですね。算数がやはり最も嫌われている教科のようです。
一番嫌いな科目であるということ
嫌いな科目ということは、おそらく「苦手」な教科であると解釈してもおそらくよいと思います。嫌いになる理由は様々ですが、大人の方と向き合ってきて、ほぼ「わからなくなった」ときに、苦手意識を感じたり、嫌いになっているように感じます。もちろん、勉強がかなりできるからこそ、相対的に他の教科より理解が難しいから苦手意識を感じているのかもしれません。
いずれにせよ、強烈な科目であることは間違いありません。具体的なモノを扱うのではなく、数字や演算という一種の記号操作にいくつものやり方を覚えなくてはなりません。筆算のアルゴリズムを覚えて活用するという特殊な領域を学んでいきます。
最新データでこのような結果が出ていますが、この傾向は過去を見てみても比較的続いていることと思います。
なぜなら、30年前の1989年にも同様の調査をしており、(※)算数嫌いは第3位の31.4%となっています。(参考:小学生白書(1989年度版)-学研教育総合研究所)
※ただ、こちらのデータは複数回答での調査となっているので、単一回答の最新データとは意味合いが若干異なります。”最も”嫌いな・・・という一番なると、ちょっとこのデータからはわからないのですが、算数嫌いは昔から多かったと考えてもよいと思います。
いずれにせよ、過去を振り返ったときに、強烈な記憶を残す教科であることは間違いなさそうです。
大人のみなさんはいかがでしょうか。
<文/堀口智之>