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なぜ電卓で計算練習をし続けても、数字に強くならないのか?

今日はある方の相談を受けていました。

社会人になるまで、海外で育ち、その国の教育機関を経て、日本に帰国したとのこと。でも、日本に帰国してからの就職でいきなり壁にぶち当たります。

就職するために今の読解力や数的能力を試すものとして「SPI試験」と言われる比較的簡単なテストが行われることも多く、就職・転職する際の足きり試験として活用されています。その試験が「全く解けない!」と気づいたとのこと。

 

SPI試験では手計算がいまだに必要

なぜSPI試験が解けないのか。

実は、その国では数学を学ぶ時は中学くらいになるとすべての計算を電卓で行うようになるとのことです。日本人からすれば、「なんて楽なんだ!」と感動しますよね。

ちなみに、SPI試験では、Webテスティング方式では電卓が使用ができますが、テストセンターやペーパーテスト式の場合は使用不可です。

電卓だけあれば計算自体は問題ないはずですが、日本の今の就職試験にはそんな事情があまり考慮されていないことが多いので、やはり手である程度は計算できていないといけなかったりします。

 

大人になってから計算練習をしたけれど・・・

その方の実践として、大人になってからたくさん計算練習をしているとのこと。でも、こんな悩みが。

「2桁の計算練習をたくさんしているけれど、全然数字に強くならない・・・。」

と。その通りです。

計算練習の頻度とそれが数字の強さに直結するかは別で、数字に強くなる感覚を得るためには、数字への目的や意味付けが非常に重要になってくるからです。その意味付けの基礎体力として、計算練習があると、当然良かったりします。球技・スポーツの筋トレ的な役割です。しかし、筋トレがいくら出来ても、バスケがうまいわけではないのと一緒です。

当然、電卓を打てれば計算できるわけだから、問題ないのではないか。そんな意見があることは当然で、もちろん、ある程度は問題ないと思います。

しかし、今の日本の事情からすればやはり手である程度計算できた方がよいのと、電卓に頼り切ってしまうと計算の構造が見落としてしまいます。

すべての計算を手計算でやろうとするのも今のコンピュータを主体にした社会からすればどうかと思いますが、すべての計算を電卓でやろうとするのも考え物です。数式と向き合い、数式と親しんでから、必要なところは電卓で。という使い分けが重要でしょう。

結果、いろいろとお話して、数字のトレーニングが行える数字トレーニング入門セミナーにお越し頂けることになりました。ぜひ数字の見え方・風景が変わる瞬間を味わっていただけたらなぁ、と。(参考:数字トレーニング入門セミナー

毎日のようにたくさんのお客様のご相談に乗っているのですが、たまには紹介してみました。

<文/堀口智之>