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コロナと経済、どちらを取るか?

今回のコロナウイルス禍(COVID19)でどちらを取るかが、常に問われています。

「コロナを抑えるか」or「経済を回すか」です。

何度も、これからも議題に上がり続け、常にワイドショーのネタになっていくでしょう。

今回のコロナ禍で「影響を受けない人はいない。」と断言してもよいほど、様々な影響が広範囲にでました。

ちょうど先日のニュースで、アメリカの国内総生産(GDP)の今年4月~6月の伸び率が年率に換算して、マイナス32.9%になったと報道されました。一気にアメリカの経済が1/3が無くなった・・・ということです。これは大変な事態です。極端にいえば、自分の給料が、しかも全員で、たった3か月で1/3減ったと考えてください。30万もらっていた人は、20万円になったということです。

「生活できない!」なんて声が聞こえてきそうです。

もちろん、コロナウイルスは非常に怖い存在です。感染によって入院したり、重症化することも怖いですが、治ったあとにも咳や息苦しさ、慢性疲労などの後遺症も数週間、数か月続くのでは?ということも最近発表され、「自分がかかったらどうしよう。」と不安に思う方も多くいることでしょう。

しかし、アメリカの経済を30%止めなきゃいけないくらいひどい被害なのかと言えば、決してそうではないと思っています。今アメリカの感染者は450万人を超え、亡くなった方は15万人です。

「経済」で考えれば、1/3がなくなったわけですから、アメリカの労働者人口から考えても5000万人分の給料が0になったと考えても同じインパクトになります。5000万人が食べていけなくなった・・・と考えるのは極端かもしれませんが、現在のアメリカの失業率は4月に最悪の14.7%を記録してから、6月の段階で11%程度と回復傾向であるものの、多くの経済的不安定を生み出していることは間違いないでしょう。。

ただ、コロナウイルスが怖いのは、未知なところがあるわけです。将来が読めません。スペイン風邪のようなとんでもない第2波を世界にもたらす可能性は十分あります。感染症の危険性がわかっている専門家からすれば何としても蔓延を防がなくてはいけないでしょうし、経済の専門家からすれば、被害の量から見てみれば、それほど経済を止めるべき事象なのかが理解できません。どちらも正しさを持っているスタンスです。

「コロナウイルス感染拡大を抑えるために経済を止める」or「ウイルス感染拡大してもいから経済を動かす。」この2つの選択肢をどちらを選ぶかが今、問われています。

どちらをとっても「悪」になるでしょう。どちらか片方の、多くの人に被害が出ることは間違いありません。政治の批判材料にされることが予想されます。

もちろん、第3の選択肢であるウイルスとの共存、ウィズコロナという形もあるのです、少なくとも今の経済の形自体を変えていけないといけないと思います。

 

自分がもし飲食店の経営者だったらどうするか

私も会社の代表をしている身ではあります。自分がもし、飲食店、イベント業、旅行業の経営者だったとしたらどうしようと、ふとした時に考えています。

おそらく、とてつもないダメージを現在受けていることでしょう。ソーシャルディスタンスを保った上で飲食店を”創業しろ”と言われたら、そもそも創業しないと思います(笑) 一定のスペースに人を詰め込まないと、家賃が払えない、固定費が払えないからです。だから、普通の一般的な飲食店には人を詰め込むわけです。

もし自分が今、飲食店を経営していたとしたら、最近の社会の動向を見たときに、数千万の借金を負ったとしても、出血を止めるためにおそらく廃業かなと思います。なぜなら、今のままだと、まともなルールで戦えないからです。

将棋で言えば、飛車角金銀なしで、超強い相手と戦うようなもの。ビジネスというとてつもなく競争の激しい市場で戦う上で、持ち駒は非常に重要です。しかも、緊急事態宣言という強制1ターン休みによって何年もかけて貯めておいた駒まで奪われ、動けば動くほど苦しくなっていくことでしょう。

会社によっては「お弁当配達・デリバリー」などに進出していますが、すべての店舗がデリバリーを行って、すべてうまくいくとは思いません。我々が飲食店に払っていた額をそのまま「デリバリー市場」に全額移行するとは思えないからです。

辞めるにせよ、続けるにせよ、大ダメージなことには変わりありません。しかし、量であれば、おそらく辞めたほうがダメ―ジが少なくなります。国や都、地方からの補助金や給付金などあるかもしれませんが、「歩」や「金」を1枚だけ補充されるようなもの。一時的な安心感にしか過ぎません。もって数日~数週間寿命が延びるくらいです。

最近、多くの飲食店が廃業・撤退していると聞きます。吉野家、はなまるうどん、ワタミ、甘太郎・・・などなど。納得です。ビジネスがうまくいくかどうかはほとんど経営者の責任なのですが、特に今回のコロナウイルスは、誰のせいにもできないことの一つだと思います。

経営者としての自分が思うのなら、「運が悪かった。」というものです。これは運だとと思います。なぜなら、そもそも戦いのルールそのものを変更されてしまっているからです。勝てない戦いを強制させられているようなものです。

イケてる会社の経営者なら、ここからいかに這い上がるか、もう一度チャレンジするチャンスを伺うことでしょう。二度と同じ失敗はしないように。

ただ、そのときに言えることは、不安定な社会に対応できる会社を作るのは非常に難しいということです。その形態が「会社」である限り、社員がいて、組織があって、方針があって、目的があって収益をあげている事業があります。そう簡単には変更できません。

うちの会社でも大人のための数学教室を行っておりますが、他の会社と比べて余裕はない方です。なぜなら、利益率が高くないからです。利益率と利益額がどれだけ残るかが結局はその会社の体力になります。何をするにも体力です。とにかく体力。進んだ方向とは違う方向に、方向転換するのにも、体力を使います。会社が大きければ大きいほど体力を使う結果となります。

つまり、会社は、安定感のある社会であることを前提に動いているのです。長期的なビジョンをたて、5年以上の単位で資金を回収するような大きな投資をするのは、「今のままやればうまくいく。」という確信があるからそうするのです。

今がんばっている飲食店や旅行、イベントなどの会社を経営されている方を想うと非常に心が苦しくなりますが、無理な戦いや無駄な戦いはしないように祈るばかりです。規模を最小にして再帰を図る、配達市場に商機を見出す、全く新しい市場に進出する、コロナ禍でチャンスも生まれたとプラスにとらえて行動していく、様々な選択肢があります。どれを選んだとしても、「何としてもそれを正解」にするような努力が必要です。

経営者へのエールとして、これから10年先を見据えたうえで、頑張ってほしいところです。