私が初めて面接をしたのは25歳のとき。起業してから初めて面接官となり、面接をさせていただくことになり、そこから10年で6、700名以上は面接してきました。
もちろん、面接だけが仕事ではありませんので、人事や採用の人からすると、少ない人数だと思いますが、それでも多くの方と出会い、お話をし、何年か経ち、熟練してくると、見える指標が増えてくることを感じました。
特に、「5秒でもわかる」ことがあることに驚きました。しかも、その5秒でわかることは、ほとんどあっているわけです。5秒かけて感じたことを面接2時間かけて確かめることもありました。5秒ですから、直感的なものもあると思います。
もちろん、5秒でわからないこともたくさんあります。数学的な能力、スキルについては話してみないと全くわかりません(笑)(外見だけでわかったら奇跡です!)
つまり、面接は、2時間かけないとわからない項目と、5秒くらいで明らかにわかる項目があるのです。
面接開始すぐにわかること
面接が始まって、3秒~10秒くらい。すぐわかるのは、服装、ふるまいです。まず1秒でわかりますよね。普段から服装にどれだけを気を使っているのか。面接のときの服装で、面接に対する考え方も伝わってきます。マナー的な側面もありますが、その会社の雰囲気に合うかどうか、も大きいと思います。普段着推奨の会社もあると思いますので。
そして、最初の「ふるまい」の仕方で、人とのコミュニケーションの普段の様子も見えてきます。例えば、挨拶がしっかりできる人は、普段でも挨拶をきちんとしている人です。少しぎこちなさがある場合、挨拶をする習慣を持っていなかったりコミュニケーション自体に苦手意識があるのかなと判断できます。
そして、5秒あれば、その人が雰囲気を持っているのかもわかります。明るい人なのか、暗い人なのか、外向きなのか、内向きなのか。ある程度、どんな人なのかもわかるところはあります。その人自身の持つ雰囲気、会社のカルチャーに合うかどうかなどはわかる人はわかるでしょう。
しかし、たまに間違っていることもあるとはあります(笑)
そして、5秒でわからないこともものすごいたくさんあります。それを質問していくのです。
直感的にわかるのは、減点が多い
面接は基本的に減点と加点方式の組み合わせですが、最初の面接開始直後でわかる視点は、基本的に減点項目です。例えば、服装がダメだったな・・では10点減点。みたいな形で評価していくのです。
「雰囲気が会社に合いそう!10点アップ!」とかはあまりありません。持っているスキルや能力、仕事に対しての積極的な姿勢、数学への愛などはやはり話を聞かないとわからないことが多くあり、そこから加点されていくという感じでしょうか。
講師としての面接であれば、ある程度、数学の能力は90点、教え方は60点とか、総合的に80点とか70点とか、数字で評価し、そのときの理想的な募集人材と突き合わせ、必要な能力を持っているかどうか。今後、成長の可能性があるかどうか、など複合的な視点で入社判断していくことにつながっていきます。どんな項目を指標にするかは会社や業界によって全く変わってくると思います。
秒でわかっても、2時間かけてわからないこともある
秒かけてわかる項目は、不思議と2時間かけるとわからなかったりします。むしろ、話せば話すほどボヤっとしてしまうというか。直感的に「合わない人だな・・・」と思っても、2時間も話すと相手のことを好きになってしまうので、ついいい人に見えてきてしまう(笑) このあたり共感できる人、きっといるのではないでしょうか・・・。
2時間かけて話すとふつうだけど、秒で感じる違和感みたいなものがあったり。そう考えると、面接とは非常に奥深いものです。大体その違和感は当たっていたりするのも面白い(笑)このあたりのデータは具体的にはとっていないのですが、起業前に危険な経験も何度も経験してきたので、感覚が研ぎ澄まされているのかもしれません・・・(適当です)
何事も、”絶対”というのはありません。100%のマッチング率はありえなく、100%じゃないから転職があるわけで、逆に、自分の性格や特性と合わない会社と働くことで、自分自身の成長につながるというのは私自身も痛いほど感じてきているところです。
以上、数字で面接を評価する視点。5秒でわかる項目とは何かを解説していきました。意外と、この5秒の視点を見逃しがちで、言語化も少し難しい部分もあるのかなとも思っています。いつもの評価項目に加えて、面接の評価項目の一つとして考えておきたいところです。
<文/堀口智之>