経理・財務へ未経験で異動したら、締め日や承認などの実務ルールを確認しながら、会計用語と計算の基礎を並行して整理します。割合が分かれば会計処理まで判断できるわけではなく、逆に用語を覚えても、単位や比較を取り違えると資料を誤読します。
この記事は、数字を読むための入門的な確認方法です。個別の仕訳、税務、資金決済は、会社の処理方針と責任者・専門家の確認に従ってください。数値例は説明用の架空の設定です。
最初に確認するのは、締め日・証憑・承認の流れ
月次締め、支払日、提出期限、処理の確認者、参照する手順書の場所を把握します。請求書や領収書などの根拠資料をどこに保管し、修正をどのように記録するかも確認します。
誤りが支払い、申告、対外報告に影響する場合は、後でまとめて聞くのではなく、処理前に責任者へ確認してください。数字の学び直しを優先するあまり、期限のある実務確認を後回しにしないことが重要です。
つまずきを、三つに分ける
①数字の計算、②会計用語や取引の理解、③社内の手順・システム操作を分けて考えます。「予算比が分からない」なら、式が分からないのか、予算に含まれる対象が分からないのか、データを取り出せないのかを確認します。
例えば、108÷120=0.9という計算ができても、その実績が売上なのか経費なのかで解釈は変わります。困っている箇所を一つずつ分けると、確認先や学ぶ内容も明確になります。
基本1:単位をそろえてから比較する
「12,000千円」は1,200万円です。「1,200」と「12,000」だけを見て比較せず、単位を付けて書き直します。資料全体の単位が百万円の場合でも、明細だけ円単位になっていないかを確認してください。
計算後には、概算で桁を確かめます。例えば1,200万円の10%なら約120万円です。電卓や表計算で12万円と出た場合は、入力した単位や小数点を再確認する必要があります。概算は正確な計算の代わりではなく、取り違えを点検する補助手段です。
基本2:売上の達成率と、経費の予算消化率を区別する
予算1,200万円に対して実績1,080万円なら、実績÷予算×100=90%です。ただし、売上なら売上目標に対する達成率、経費なら予算に対する使用割合として読むなど、指標の意味が違います。
経費が90%だから業績が悪い、あるいは節約に成功した、とは数字だけでは言えません。未実施の業務が残ったのか、必要な成果を同じように出して費用を抑えたのかを確認します。単月と累計、予算と見込みも混ぜないようにします。
基本3:売上、費用、現金の動きを分ける
ここでは、会社のルールに従って今月の売上として確定した取引100万円があり、入金は翌月という設定を考えます。今月の売上に含まれていても、今月の入金はまだありません。逆に、前月分の代金を今月受け取る場合、その入金を再び今月の売上として数えれば重複します。
また、借入金を受け取ったことを売上と考えたり、元本返済をそのまま経費と考えたりしないようにします。会計上の利益を見る資料と、資金の増減を見る資料は、別の問いに答えるものです。具体的な処理は、取引内容と社内ルールを確認してください。
数トレの練習:一つの数字を、三通りに説明する
数トレの段階的な学習方針を、経理資料の読み方に応用した練習です。次の三つを、自分の言葉で区別してみてください。
- 差額:実績1,080万円は予算1,200万円より120万円少ない。
- 比率:実績は予算の90%である。
- 判断の留保:対象が売上か経費か、業務の進み具合はどうかを確認しないと評価できない。
式を計算するだけでなく、数字が示すことと示さないことを言葉にするのが、この練習の目的です。割合の解説も基準の確認に利用できます。
最初の1か月の確認メモを作る
「用語」「自分の理解」「参照する資料」「確認先」「未確認の点」を記録します。例えば「売上の集計期間は暦月か」「この表は税抜きか」「赤字の数値は減少を意味するのか、修正を意味するのか」といった、実際に迷った内容を残します。
毎週一つの資料を選び、元の記録から合計までたどってみます。数字が一致しない場合は、丸め処理、対象の違い、未確定データ、重複などを順に点検します。自分の推測で差額を埋める処理は避けてください。
会計の学習と、数字の基礎学習を使い分ける
会計の基礎については、日本商工会議所の日商簿記3級の案内で、学ぶ範囲を確認できます。社内手順、資格試験の学習、割合や概算の学習は、それぞれ目的を分けます。
数字の基礎を学ぶ選択肢は、大人の数トレ教室の公式案内で確認してください。体験セミナーについては、掲載されている開催日と申込先を確認したうえで検討してください。
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