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「コロナを止めることはできない」という当たり前が共有されていない問題

お客様とお話をしていたときに気づいたのですが、
「いずれコロナウイルスは皆が感染しますよ。」
と。止めることができない。とお話したところ、意外な顔をされました。

いや、私が間違っていたら、他に明らかにうまくいくコースがあればぜひ教えてほしいのですが、今の現状では、「感染は広まらないでほしい。」という願いのレベルになっていて、決して明らかな生活様式が変わるくらいの行動レベルでの変化、そのインパクトがないように思ってしまいます。

元々、3月や4月頃の厚生労働省のクラスター対策班の対応としては、緊急事態宣言によって、コントロール十分可能な感染者数にもっていくことが目的でしたが、それは結局ある程度は十分抑えられましたが、今では決して抑えられているとは言い難い状況です。

うまくいっていれば、既に国内の感染者数は0になっているはずです。今はもうすでに対応が難しく、コロナウイルスの感染はこのまま広がっていくしかない状況です。

これが意味するのは、速かれ遅かれ基本的に感染すると思います。集団免疫を獲得するくらい広まっていきます。それが国民全体の2割なのか、5割なのかは専門家にゆだねたいと思います。

なぜなら、感染を抑えられる現実的なプランが現状ないからです。もちろん、皆の生活様式が明らかに変わって実効再生産数が1を切るようなことがあえれば抑えることができますが、基本的に7月1以降は1を上回っています。

Rt Covid-19 Japanより引用

こちらのWEBで都道府県ごとの実効再生産数を確認できます。
https://rt-live-japan.com/

これが意味するのは、「今のままではダメだよ。」ということです。願っても、祈っても、怖がっても全く意味がありません。行動が変わらないと。しかも実効再生産数が0.5くらいになったとしても、緊急事態宣言のときのように、2か月くらいその状態を継続しないと、コントロール可能な状態までいきません。

つまり、今のままでは全員感染コースになってしまうということです。

 

誰も教えてくれない真実

そう、こういうことは意外と誰も教えてくれないのです。

テレビをつけても、このあとどうなるのかが「願い」のレベルになっていて、具体的な行動基準の変更までいっていない状況のように感じます。経済を動かすことと、感染を抑える両方の側面を考えていかない限り、厳しいでしょう。そのような変化に対応した生活・ビジネス様式が当たり前になっていく必要があると思います。

もちろん、新型コロナウイルス自体が弱毒化したり、インフルエンザのように季節性のものであることが判明したり、何等か大きな変化がどこかで起きれば感染拡大による混乱は落ち着いていくと思います。

ワクチンの開発は期待されていますが、様々な情報が混在しています。それが治療薬なのか、予防ができるのか、重症化を抑えるだけなのか、その具体的効果についてもまだ明確にはなっていないはずです。ロシアでは既にワクチンができたという話もありますが、その危険性も示唆されています。

つまり、このまま皆が感染していって、集団免疫をいかに獲得するか、ということが現状のコースになっています。

大切なのは、重症者が多すぎて医療崩壊を起こさないことです。ヨーロッパの一部国のように死亡率がグッと上がってきます。

速かれ遅かれ感染するという厳しいように思える現実を受け入れることが大切です。そんな当たり前のことが共有できていないということに先日気づきました。

<文/堀口智之>