お問い合わせ

「数えるのが苦手」インタビュー1

「数えるのが苦手」という方から、数がいつから苦手になったのか、いつからそれを感じたのか。ヒアリングさせていただきました。(30代、女性の方です。)

きっと「数字が苦手」という方も、自分がどのくらい苦手であるのかあまり人と比べたこともないと思いますし、具体的に何が苦手かを人に相談する機会もないと思います。(そういう意味では、非常に内容が興味深いです。)

さて、インタビュー開始です!

 


「数えるのが苦手」ということですが、子供のときにどんな苦手意識を感じていましたか?

小学生低学年から6年生までそろばんを習っていましたが、珠の弾き方のルールは理解できても、「そろばんだとこうする、こう考える」みたいな根幹のところが最後まで理解できませんでした。桁が繰り上がる計算は、先生に「こう考えて珠をこうして」と何度も習いましたが、結局指で数えないとわからなくなるので、指で数えて、その数字にそろばんの珠を入れてました。なんのためのそろばんなんだって話ですよね(笑)

 何度も先生に説明してもらい「なんかわかりそう」みたいな感覚になったことはありますが、「そういうことか!」という手前のところで何だか頭に靄がかかったような感じになり、大人になった今でも、あの時の靄がかかってる感覚が私の一番のそろばんの思い出です。

 小学生までは学校の勉強で困ることはありませんでしたが、典型的な感じで中学生で数学で躓きました。数字を文字に置き換えて表すと数のイメージが掴めなくなります。高校は数学は赤点常連でした。よく卒業できたなぁと今でも思います。

 体育の時。整列して一人ずつ数字を数え上げて点呼を取るのが緊張しました。横並びになって、自分の前に6人以上並んでいると自分が何番目か咄嗟にはわからないので、一人ずつ数字を言っていき、いざ自分の番できちんと数が言えるか不安で不安で。

 

いつから苦手を感じたのでしょうか。

そろばんは4年生くらいで「何でみんなそんなに問題をスラスラ解けるんだろう」と感じてました。体育の点呼は記憶がありませんが、気付いた時から苦手です。

 

数えるのが苦手で困ったことはありましたか?

 上記の通り、子どもの頃から数字には苦手意識がありましたが、それだけでした。

 初めて「困った」と思ったのは、「100均のアルバイト」のときです。高校1年で始めたのですが、同じ商品を20個とか、多いと100個近く買っていくお客様が1日に数名はいるんです。それで100個を数えるとなると、10個を10組みにする過程で苦手な6,7,8,9のカウントを何度もやることになり、それをしているうちにそろばんの時の頭に靄がかかる感覚と似た感覚を覚えて「今何個だったっけ?」ってなり、何度も何度も数え直してました。

 あと、これはなんか別の問題もある気がするんですが、おつり間違いもめちゃめちゃしてたと思います。よく確認せずに電話のダイヤルの配置でレジ叩いてたみたいなんです。

シャープ 電話機 コードレス 子機1台付き JD-V38CL amazonより引用
カシオ(レジスター)WEB より引用

※よく見ると、確かに番号の配置が異なっている。

 

下から1、2、3なのに、上から1、2、3と順番に並んでいるように勘違いしてしまうという。

預かり金額をレジで打つときに押し間違えて、さらにそれに気づかずに表字された数字が合ってると思っておつりを渡してたと思います。その時はレジの集計は自分ではなく社員さんがしてたので、それが原因だと気づきませんでした。なんて迷惑なバイトでしょう(笑)

その後大学生になり、レジの集計もバイトがやるところに勤めて初めて、レジの押し間違いに気づき、売上集計の金種表の書き方にも四苦八苦したりして、「これはきちんとしないとまずいぞ」と責任感が生まれ、数字を扱う時は慎重になりました。

 

誰か相談できる友人はいましたか?

 いないです。自分では相談するほどの事とはとらえていませんでした。学生時代に同じように数学が苦手な友達がいたので「全然わからないねー」という共感はしましたがそれ止まりで、どこがどう苦手かここまで深く考えたのは大人の数トレ教室のこちらの算数障害の記事を読んでからです。

 

何か訓練やトレーニングはしましたか?

 これといってしてませんが、苦手だからといって数字を避けてはいないです。数字がピタッと合うと気持ちいいので、その過去のバイトでは売上集計も、金種表の記入などの処理も率先してやってました。スキー場のチケット売り場だったんですが、1日の売上が1000万を超える日もあり、現金が主流の時代だったので、単純な足し算を何度も何度もやってたのは今思えばいい訓練だったかもしれません。金種表の紙は数え切れないほど無駄にしましたね(笑)

 

大人になってどんなことに困っていますか?

 大人になっても苦手意識は変わっていません。特に、メジャーや、針が動くタイプの体重計を使った時、目盛りを数えるのが苦手です。メジャーは1センチ毎に数字を書いておいて欲しいです。あとこの前数年?数十年?ぶりに方眼紙を使ったんですが、自分で目盛りをつけるのが難しくて時間かかりました。

 

今は数字とどのように向き合っていますか?

 今現在は会社で経営幹部をしているので苦手ですが避けては通れないです。MQ会計を学んでますが、最初はf/m比率の計算で迷いました。「どっちからどっちを割ればいいの?」って(笑)ただ、MQ会計は電卓使えるのでうまくツールを活用しています。

 今でも私にとっては足し算や物のカウントの方が難しいですね。メジャーやスケールに1センチ毎に目盛りが欲しいです(笑) 収納家具のサイズを間違えたり換気扇カバーのサイズ間違えたり日常茶飯事で。サイズが変えられないものを買う時はすごく気を使います。その点突っ張り棒はとてもいいですね!伸ばしたり縮めたりできるのが優秀です(笑)


以上、貴重なインタビューでした。(質問に対して文章で回答いただいたものになります。)

先日ご紹介した算数障害の記事と共にご覧いただくと、さらに参考になるのではと思います。

普段から「数字ができない、嫌い」という方と相談させて頂いておりますが、まとまったエピソードは貴重です。「共感した!」なんて声もあれば、ぜひ大人の数トレ教室のTwitterのDMなどから感想や、「私も実は、苦手」などご意見あれば頂けたらと思います。お待ちしております。