2020年1月、『リスキル革命(Reskilling Revolution)』と称して、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)にて「リスキル」の重要性が叫ばれました。
リスキル(Reskill)とは、スキルの再構成のことです。新たなスキルを身に着けることを推奨しているのです。
なぜ「リスキル」が求められるか。理由はきっとみなさんも想像に難くないはず。
将来、求められる職業として、データサイエンティストやAI活用、クラウドコンピューティングといったデジタル技術に関わるものなど、新たなスキルを持つ人材が必要となってきているからです。これらは数年で急激に注目されてきた分野です。日本の高校数学の学習指導要領の中にも「統計学」が事実上必修化となるのは2022年度からとなっています。2022年度の前までは必修ではありませんでした。
しかし、これから「統計学」を必須として学んできた人材が社会に出てくるだけであって、今働いている6000万人以上の人々はどのようにすればよいのか。
だからこそ、「学び直す」必要があるのです。
今、大人の我々は、これらの専門スキルをおよそ学んできていません。義務教育で習っているわけではないのです。もちろん、学校で習ったスキルが仕事ですぐにつかえるのかと言えば、多くの方はNOと答えるでしょう。だからこそ社会人として会社に入社したとき、多くの研修を受けることとなるのです。入社しから様々な教育訓練、社内研修が多くの会社では用意されています。
しかし、10年も前に研修を行ったとしても、今の時代にそぐわない内容になっていることもあります。これだけITを活用することが浸透し、少子高齢化が顕著に進み、個人の価値観の多様化を認める会社風土であることが求められる社会に変化していきます。
コロナ禍が急激に社会の変化をもたらした
さらにここにきて2020年、コロナ禍となり、まさに急激な変化がどの会社でも求められることとなりました。活躍し続けられる人と、うまく変化に対応できない人と、大きく2分されることとなりました。
このコロナ禍は、どのくらい続くのでしょうか。
決して短い期間の災害ではないと考えます。ワクチンができて治療法が確立したとしても、またどんな感染症が世界に広がっていくかわかりません。その中で、事業環境が急速に変わり続けることがこれからも予想されます。会社として、個人としてどうこの社会に向き合っていけばよいのか。
個人に社会が合わせてくれるわけはありません。個人が変わり続けなければいけない社会となっているのです。だからこそ、リスキルが注目されています。主体的な学びが従業員に求められていることとなります。
一人ひとりが自分のキャリアを見つめなおし、能力・経験の見直し、リスキルし続け、新たな自律的キャリアを構築することが必要と考えられています。
これは従業員だけでなく、マネジメント層、経営陣も同じです。組織文化として、「リスキル」を人事戦略の第一に掲げていくことも必要とされるでしょう。組織はAIではできません。人がAIを支え、人が組織を支えているのです。
変化に対応できる汎用的スキルこそ「数学」
今、専門性の高さと同時に、「どの会社でも通用する」汎用性の高いスキルが必要とされています。
なぜなら、学びに「流行」があるからです。一時期は学んだには学んだけど、すぐに必要性が無くなってしまうような表面的スキルもあります。変化が激しいとはそういうことです。
その上で、数学や統計学、数字に強い人材はこれからの時代にさらに重宝されることでしょう。なぜなら、高度な情報化社会が構築されればされるほど、数学がブラックボックス化されるからです。表面的な流行に左右されないスキルこそ、数学なのです。今、リスキル(スキルの再構築)の基盤として、数学を”たしかなスキル”として持ち合わせていくことが求められていることでしょう。
和からは、数学と統計学、数字の教育と、量的に物事を判断するすべてのリテラシーを教育させて頂いているのでお気軽にご相談ください。企業内部の教育研修も行っております。
参考:『リスキル革命』~ダボス会議で「2030年までに10億人のリスキル」が提唱(日本能率協会)
参考:和から問い合わせページ
<文/堀口智之>