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中小企業診断士の財務会計が苦手なとき|計算前に戻る基礎

黒い地を削って表した横長の帯が三つの区画に分かれ、削りかすと刃先が右下に写っているスクラッチボードの図版

中小企業診断士の財務会計で手が止まるときは、計算そのもの、用語の定義、問題文から式を立てる工程の3つに分けて位置を特定します。3つは、必要な対策がそれぞれ違います。正答率だけを追っていると、どれが原因で落としているのかは分かりません。

この記事では、つまずく位置の分け方と、損益分岐点まわりの数字を確かめる計算例を紹介します。以下の金額の設定は、説明用に作成した架空のものです。出題範囲と試験の方式は年度によって変わるため、公式の案内で確認してください。

財務会計でつまずく位置を、3つに分ける

解けなかった問題を、「計算そのもの」「用語の定義」「問題文から式を立てる」のどれかに割り当てます。計算そのものなら、四則演算や割合の処理で手順が崩れています。用語の定義なら、言葉が指す範囲を取り違えています。立式なら、与えられた条件をどの式に入れるかで止まっています。

解説を読んで納得した問題ほど、どこで止まったのかが後に残りません。解説を読む前に、止まった位置だけを1行書いておきます。

3つのうち、立式が原因のものは解説を読むだけでは埋まりにくい位置です。与えられた条件のどれを使い、どれを使わなかったかを、解説の式と突き合わせて確認します。

割合が原因の場合:比率を分母に戻す

財務会計の比率は、名前を覚えても分母が出てこないと使えません。「率」と付く数字を見たら、割られる側と割る側を言葉で書きます。

変動費率の分母は売上高、限界利益率の分母も売上高です。同じ分母を使う比率どうしは足し合わせられますが、分母が違う比率を足しても意味は出ません。比率の扱いは割合の用語解説でも確認できます。

用語が原因の場合:同じ「利益」を区別する

財務会計では、「利益」という語が複数の計算結果を指します。売上高から変動費を引いた限界利益と、限界利益から固定費を引いた営業利益は、同じ「利益」でも計算に入れる範囲が違います。

売上原価を引いた売上総利益とも区別します。売上原価に含める範囲と、変動費として扱う範囲は一致するとは限らないため、売上総利益と限界利益が同じ数字になるとも限りません。問題文の「利益」が何を引いた後の数字なのかを、計算に入る前に書き出します。

費用の側も同じです。固定費と変動費は、売上高が動いたときに金額が変わるかどうかで分けます。勘定科目の名前だけで決まるわけではないため、問題文がどう指定しているかを先に読みます。

計算例:損益分岐点比率と安全余裕率を確かめる

売上高1,000万円、変動費600万円、固定費300万円とします。分母に置く1,000万円は、いずれも実際の売上高です。

  • 限界利益:1,000-600=400万円
  • 限界利益率:400÷1,000×100=40%
  • 損益分岐点売上高:300÷0.4=750万円
  • 損益分岐点比率:750÷1,000×100=75%

安全余裕率は(1,000-750)÷1,000×100=25%です。損益分岐点比率75%と安全余裕率25%を足すと100%になります。足して100%にならなければ、どこかで分母を取り違えています。損益分岐点の用語解説も併せて確認してください。

変動費が630万円へ増えると、変動費率は60%から63%へ3ポイント上がります。限界利益率は 100-63=37%、損益分岐点売上高は 300÷0.37=約810.8万円、損益分岐点比率は 810.8÷1,000×100=約81.1%です。変動費率が3ポイント動くと、損益分岐点比率は約6.1ポイント動きます。損益分岐点売上高は約60.8万円上がります。

この計算で分かるのは、費用の構成が変わったときに必要な売上高がどう動くかまでです。比率が上がったことだけで、その企業の状態が悪化したとは判断できません。

過去問の回し方と、記録の残し方

過去問は、正解か不正解かの記録だけでは次につながりません。1問ごとに、止まった位置の分類、使った式、置いた分母の3つを残します。3つとも1行で足ります。

同じ論点を2回目に解くときは、記録を見ずに解いてから突き合わせます。分類が前回と同じなら対策が届いていない、分類が変わったなら前の課題は片付いている、と読み分けられます。

残り期間で、どこまで戻るかを決める

試験日までの週数と、記録に残った分類の数を並べます。計算そのものが多いなら割合と四則の手順、用語なら定義の書き出し、立式なら条件を式へ置き換える練習が先になります。戻る深さは残り期間で変わり、期間が短ければ、頻出の論点に絞って分母の確認だけを回す置き方もあります。

和からには、中小企業診断士の財務会計を学ぶ方を指導した経験があります。止まる位置を特定したい場合は、和からの数トレ教室の個別指導で相談できます。かかる費用は、受ける回数と、どれだけの期間をかけるかで決まります。学習期間を長く取れる場合は、回数を分散させる置き方も相談の対象になります。扱うのは計算と用語の整理までで、出題範囲の網羅や答案の採点は含みません。

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